【中央社ヘルシンキ16日】木材から服を作り、樹幹から燃料を精製し、パルプ工場の煙突で二酸化炭素を回収・再利用する――。今週ヘルシンキで開催された「パルプ&ビヨンド(Pulp & Beyond)」展は、伝統的な製紙業の枠を超えた姿を示した。台湾の製紙・パルプ関連業者からなる代表団は、現地視察を通じて、紙から繊維へ、廃棄物からエネルギーへと転換する産業の道筋と、そこに広がるグリーンビジネスの可能性を目の当たりにした。

同展は14日から17日までヘルシンキ展示会議センターで開催され、世界50カ国から8000人を超える専門家が参加する北欧の林業関連で最大規模のイベントだ。台湾製紙工業同業公会の黄鯤雄理事長(中華紙漿董事長)と中華製紙技術協会の張清賀理事長が代表団を率いて参加した。

台湾の林昶佐駐フィンランド代表は、代表団との懇談で台湾語を用いて温かく迎え入れた。林氏は中央社に対し、昨年の台芬貿易額が16億ドルと前年の3倍に達したことに触れ、今回の視察は両国関係の深化を示すものだと強調。代表処として台芬間のビジネス協力を一層推進する姿勢を示した。

黄鯤雄氏はインタビューで、フィンランドと台湾の製紙業が50年以上にわたり、設備購入や技術交流、原材料取引で深い関係にあると述べた。黄氏は、フィンランドが過去10年で「石油を森林に置き換える」方向へ静かにシフトしていると指摘。アールト大学の製紙学科を訪問した際、カリキュラムの3分の1が繊維素材、3分の1がバイオ精製に転換されていることを確認し、これが50年後の産業を見据えた布石であると分析した。

黄氏は「森林を資産とするフィンランドは、木材の価値を紙パルプから繊維、さらにバイオ化学品へと積み上げ、付加価値を最大化している。伝統的な製紙業は縮小しているように見えるが、繊維やエネルギーへのシフトによって資産価値はむしろ拡大している」と語った。

台湾側も、優れた技術を学びつつ、独自の強みで貢献できる。黄氏は、台湾の紙類などのリサイクル率は世界トップクラスであり、循環経済のノウハウが日常業務に浸透していると強調した。また、アジアにおける台湾の製紙技術は歴史が深く、欧州のグリーンソリューションをアジア市場に広めるための重要なハブになり得るとの見方を示した。

張清賀理事長は、今回の展示会の主要テーマである「AI活用」「循環経済・脱炭素」「木質新素材」が、台湾業界のアップグレードの方向性と合致していると指摘した。「各工場では既にほぼゼロ排出を達成しているが、さらなる効率化と廃棄ゼロを目指すためにここで学び、欧州との連携を強化したい」と意欲を見せた。

フィンランドのサリ・ムッタラ気候・環境大臣が開会式を執り行った本大会は、産業界が急速に自らを再定義していることを浮き彫りにした。黄鯤雄氏は、不確実な世界情勢の中、台湾の伝統産業が欧州市場を再評価し、連携を深める好機であると締めくくった。

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  • 出典:中央社 CNA
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