【ブリュッセル16日中央社】欧州安全保障協力機構(OSCE)は、先日行われたハンガリー国会選挙に関する選挙監視の初期報告書を発表しました。報告書は、市民の積極的な参加と激しい選挙戦が見られたものの、与党が国家と政党の境界線を曖昧にすることで自らに有利な状況を作り出し、候補者間の競争が不公平であったと指摘しています。
12日に行われた総選挙では、新興政党「尊厳と自由(Tisza)」が3分の2を超える絶対多数の議席を獲得し、16年間にわたり政権を維持してきたオルバン・ヴィクトル首相率いる与党「フィデス=ハンガリー市民連盟(Fidesz)」を打ち破りました。
OSCE傘下の民主制度人権局(ODIHR)による監視団は、選挙後に発表した報告書の中で、過去最高を記録した高い投票率に触れつつも、選挙環境が不公平であったと断じました。選挙期間中、候補者は概ね自由に活動できていたものの、与党による社会的分断を煽る修辞や恐怖を植え付ける言説が蔓延していたと指摘されています。
さらに、行政資源の広範な悪用や政府による宣伝、メディア報道における与党への偏向、選挙資金規制の著しい不備が、候補者間の機会均等を著しく阻害したと強調されました。OSCEの監視団長サルギス・カンダニャン氏は、与党が権力を乱用して有利な状況を作り出したにもかかわらず、市民が高い関心を持って投票に参加したことは、民主主義への強力な意志の現れであると述べました。
また、報告書はハンガリーのメディア環境についても、形式上は多様に見えても実態は著しく均衡を欠いていると批判しました。親政府メディアが強大なリソースを握る一方で、独立系メディアは構造的に脆弱であり、記者が情報制限や身体的な脅迫、サイバー攻撃にさらされている現状が懸念されています。さらに、生成AIを利用した偽情報による政敵への攻撃も確認されました。
その他にも、選挙委員会の人選が与党寄りで公正性に欠ける点や、女性の政治参加を促進する取り組みが皆無である点など、多くの課題が指摘されました。報告書は、法整備が進められてきたものの、国際的な民主的選挙基準には依然として達していないと結論付けています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
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