【キャンベラ16日共同】退役後に中国で活動していた元米海兵隊パイロットのダニエル・ダガン氏が、米国による身柄引き渡しを求めた裁判で、オーストラリアの裁判所に提出していた上訴が棄却された。AFP通信によると、57歳のダガン氏は、中国軍パイロットに対し空母への着艦訓練を不正に提供した疑いが持たれている。同氏は2022年に豪州ニューサウスウェールズ州オレンジで逮捕され、現在も勾留中である。逮捕時、同氏は中国で約10年間の航空コンサルタントとしての勤務を終え、豪州に帰国したばかりだった。

ダガン氏は一貫して米側の容疑を否認している。彼が逮捕される直前、英国も数十人の退役軍人に対し、中国軍パイロットを多数訓練している南アフリカの飛行訓練学校で働くことを控えるよう警告を出しており、ダガン氏も10年前にこの学校で勤務していた経歴がある。16日、裁判所外で取材に応じた妻のサフリン氏は判決に失望を表明し、アルバニージー首相に対して引き渡し決定を覆すよう求めた。「首相にはいつでもこの決定を差し止める権限がある」と主張している。弁護団は、さらなる上訴の検討に28日の猶予期間があるとしている。

米国の2017年の起訴状によれば、ダガン氏は2009年から2012年にかけて、南アフリカの飛行学校を通じて中国軍のパイロットに訓練を施し、米国の対外武器売却禁止規定への違反やマネーロンダリングなど4つの罪に問われている。弁護側は、教え子が軍人であるという証拠がないと主張してきた。また、引き渡しの要件である「両国間での犯罪の同一性」についても、当時の豪州には該当する法律が存在しなかったと反論している。なお、訓練を受けたパイロットが所属していた中国国有の航空工業集団(AVIC)は、後に中国軍との関連を理由に米国の制裁対象となっている。

豪州の市民権を持つダガン氏は、2013年に豪州から中国へ移住し、北京で航空コンサルタントを務めていた。弁護団によると、2014年には中国政府によって出国禁止措置を受け、家族の安全に懸念を抱いていたという。ダガン氏は、中国系市民の蘇斌(Su Bin)氏への電子メールをきっかけに米捜査当局の標的となった。蘇氏は中国軍パイロットを育成するために西側の退役軍人をリクルートしていた人物で、米国の防衛請負業者のコンピュータシステムをハッキングした罪で2016年に有罪判決を受けている。

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  • 出典:中央社 CNA
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