【パリ16日共同】中東での紛争が続く中、ホルムズ海峡から数千マイル離れたシンガポール近海において、イラン産原油の船対船(STS)積み替えが依然として行われており、テヘランによる制裁回避と対中貿易の維持を支えている。

現在、イラン関連の活動に関与したとして、米国、欧州連合(EU)、英国から制裁を受けているタンカーは約400隻に上る。イランの「影の船隊」を構成する多くは老朽船で、不透明な所有構造、旗の偽装、保険の未加入、GPSデータの改ざんといった手段を使い、密かに活動している。

これらのタンカーは公海上で貨物の積み替えを行うことで、原油の産地を隠蔽し「洗浄」している。マレーシアとシンガポールの沖合、マレー半島東南約100キロの海域が、現在イラン産原油の重要な転送ハブとなっている。

ワシントンのシンクタンク「クインシー責任ある国家統治研究所」のアミール・ハンダジャニ氏は、この海域を「主要なハブ」と断定し、転送状況を「完全な無秩序状態」と形容した。

米国が一部の制裁を緩和した時期があったにもかかわらず、こうした積み替え活動は紛争中も継続している。大西洋評議会の専門家エリザベス・ブラウ氏は、「制裁の緩和とイランの港湾封鎖という矛盾する米国の対応により、影の船隊を通じた輸出の方が、正規ルートの輸出よりも安全な状況が生じている」と指摘する。

海運データ会社Kplerの資料によると、3月1日以降、この海域では少なくとも37隻のイラン関連タンカーが転送に関与し、少なくとも6230万バレルの原油が扱われた。最終目的地が明記されている貨物の多くは、山東省、遼寧省、江蘇省など中国北部の港へ向かっている。

多くのタンカーは2月28日の紛争勃発前にペルシャ湾を離れていたが、紛争期間中も少なくとも6隻のイラン船籍タンカーがシンガポール付近で積み替えを完了させており、総量は約1000万バレルに上る。分析家は、米国によるイラン港湾の封鎖が始まり、なおも大量のイラン産原油が「海上浮体貯蔵」として存在していることから、船対船の転送モデルは今後も活発に続くと予測している。

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  • 出典:中央社 CNA
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