日本の防衛人材、SE採用に100日以上、IT業界との人材獲得競争が激化女性比率はわずか9%。世界に遅れをとるダイバーシティの壁

ランスタッドの調査は、防衛・航空宇宙産業がIT業界との人材競争、セキュリティ審査による採用遅延、高齢化とジェンダーギャップといった深刻な課題に直面していると指摘しています。日本は特に新卒依存が高く、女性比率が9.1%と低いほか、SE採用に101日かかるなど採用スピードで遅れをとっています。

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  • 📰 発表: 2026年6月15日 20:00
  • 🔍 収集: 2026年6月16日 01:12(発表から5時間11分後)
  • 🤖 AI分析完了: 2026年6月16日 01:26(収集から14分後)
総合人材サービスを提供するランスタッド株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役会長兼CEO 道上 淳之介、代表取締役社長 猿谷 哲)は、世界の防衛・航空宇宙(A&D)産業における最新の労働市場動向と人材不足の実態をまとめた調査レポート「2026年防衛産業人材:グローバルな労働力不足の再定義」のインサイトを発表いたします。本調査では、記録的な受注残高を抱える同産業が直面する深刻な人材不足の原因を分析するとともに、世界的なトレンドと日本市場特有の傾向を浮き彫りにしています。

■ 世界のトレンド:深刻な人材不足と異業種との競争激化

1. IT・テクノロジー業界との熾烈な人材獲得競争

現代の防衛装備品や航空機の開発はソフトウェアが中心となっており、防衛産業はビッグテックなどと直接人材を奪い合っています。必要とされるIT・ソフトウェア関連人材のプールはIT業界に集中しており、例えば米国ではIT業界へ採用範囲を広げることで、220万人以上の追加スキル人材へのアクセスが可能になります。現在、防衛産業のスキル不足を解消するための最も拡張性の高い解決策は「異業種間モビリティ(人材移動)」とされています。日本においても、防衛産業(1,061人)に対し、ITセクター(60,566人)と、プールに約60倍の開きがあり、いかにIT人材を防衛産業に勧誘できるかが課題となっています。

2. セキュリティ・クリアランス(適格性評価)による採用の遅延

機密情報を扱うための身元調査が採用の大きなボトルネックとなっています。米国では最高機密の審査に平均243日(約8ヶ月)、英国でも6〜9ヶ月を要しています。この待機期間中、企業は稼働できない人材に給与を支払い続ける必要があり、防衛企業における未充足ポジションによる生産性損失は年間3億ドルに上ると推定されています。

3. 「シルバー・ツナミ」と多様性の欠如

世界の防衛・航空宇宙労働力の25%は56歳以上であり、ベテラン層の大量退職による組織的な専門知識の喪失リスクに直面しています。さらに、経理(48%)などの管理部門では男女比が均等に近づいているものの、中核となるエンジニアリング職における女性比率はわずか16%にとどまっており、深刻なジェンダーギャップが存在しています。

■ 日本の特性:グローバルとの比較から見える課題と戦略

調査データから、日本の防衛・航空宇宙産業には世界とは異なる独自の人材獲得アプローチと課題があることが明らかになりました。

1. 主要国で最も高い「新卒・若手依存」

即戦力採用を優先し、若手採用の割合を意図的に抑えている国(英国やフランスなど)がある一方で、日本の防衛採用における新卒・若手層の割合は2026年時点で24.2%に達しており、主要国の中で最も高い水準となっています(2021年の18.2%から大幅増加)。日本は、高齢化する労働力への対策と将来のクリアランス(適格性)要員を内部で育成するための積極的な措置として、長期的なパイプライン開発に大きく投資しているのが特徴です。

2. 女性比率はわずか9%  著しく遅れをとるジェンダー・ダイバーシティ

世界的に女性の防衛産業への進出が進む中、ノルウェー(34.0%)、スウェーデン(24.0%)、米国(19.7%)などの先進国と比較し、日本の防衛関連組織における女性比率はわずか9.1%(2025年)にとどまっています。労働力不足を解消するためには、孤立した人材プールからの採用だけでなく、多様性を重視した採用戦略への転換が急務です。

3. 防衛産業に迫る「採用の長期化」。SE採用101日要する日本の遅れ

欧米企業と比較して、日本の主要企業ではポジションを埋めるまでに極めて長い日数を要しています。米国の防衛企業が「随意雇用(at-will)」モデルなどを背景に36〜50日で重要ポジションを採用しているのに対し、日本の主要防衛企業ではシステムエンジニアの採用に101日、電子エンジニアに98日を要するなど、採用のスピードにおいて大きな後れを取っています。

■ 今後の展望:解決策へのアプローチ

ランスタッドは、防衛・航空宇宙産業の企業がこの未曾有の人材不足を乗り越えるため、以下の戦略への移行を推奨しています。

「未認可から認可へ」の採用モデル導入: ITや自動車などの商業セクターから優秀な人材を積極的に採用し、入社後にセキュリティ審査のプロセスを支援するパイプラインの構築。

設計サイクルを最大60%削減 AIと自動化によるアップスキリング: 生成AIやデジタルツールを活用し、従来のエンジニアリング業務の設計サイクルを最大60%削減。また、AIアシストを活用することで、新人スタッフが短期間で専門家レベルの品質チェックを実行できるようにすること。

柔軟な働き方の提供による従業員維持: 従業員の75%以上が新たな機会にオープンである中、離職を防ぐためには「競争力のある報酬」と「柔軟な働き方」の拡充が不可欠です。

*本プレスリリースは、ランスタッド・エンタープライズが発行した「Defense sector defense talent 2026: reframing the global workforce shortage(2026年防衛産業人材:グローバルな労働力不足の再定義)」および関連市場レポートのデータに基づき作成しています。

【調査・レポート概要】
2026年防衛産業人材:グローバルな労働力不足の再定義

発行: Randstad Enterprise

発行年月: 2026年4月

調査対象国・地域: 世界主要14カ国(米国、カナダ、英国、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、日本、インド、オーストラリア)、および北米(NAM)、欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア太平洋(APAC)地域。

■ ランスタッドの会社概要

[社  名] ランスタッド・エヌ・ヴィー

[設  立] 1960年10月

[代  表] サンダー・ヴァント・ノールデンデ、ホルヘ・バスケス

[所 在 地] オランダ

[従業員数] 38,480人

[売  上] 4兆2,537億円(230億7,700万ユーロ) 2025年度実績(12月決算)

(人材サービス業として世界最大*¹)

[資 本 金]  7,376億8,866万円(40億200万ユーロ) 2025年12月末時点

[事 業 所] 世界39の国と地域

[事業内容] 総合人材サービス

[URL] https://www.randstad.com/

(1ユーロ184.33円換算/ 2025年12月末時点)

*¹ Staffing Industry Analysts 2025、人材サービス企業売上ランキングより

■ ランスタッドについて

ランスタッドは、世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社になるというビジョンを掲げる人材業界のグローバルリーダーです。人材およびクライアント企業に選ばれるパートナーとして 、労働市場の深い理解と4つの専門分野(オペレーショナル/ プロフェ

よくある質問

なぜ防衛産業で人材不足が深刻なのですか?

現代の装備はソフトウェア中心化しており、IT業界との人材競争が激化しているためです。

日本の防衛業界の女性比率はどれくらいですか?

本調査によれば日本は約9.1%で、主要国と比較して著しく低い水準です。

セキュリティ・クリアランスは採用にどう影響しますか?

身元調査に数か月を要するため採用遅延や未配置による生産性損失を招きます。

ランスタッドはどのような対策を提案していますか?

未認可採用モデル、AIによる設計効率化、柔軟な働き方などを推奨しています。

日本でSE採用に要する日数はどのくらいですか?

主要防衛企業でシステムエンジニアは約101日を要すると報告されています。