2026年6月9日、国立大学法人岡山大学からの発表。

岡山大学と岡山理科大学の研究者で構成するプロジェクトチームは、2026年5月30日に岡山県久米郡久米南町において田植え作業の模様を動画収録した。

本取り組みは、トヨタ財団2024年度特定課題「人口減少と日本社会」助成事業「地域若手実践者・学術研究者の共創による人口減少地域を支える新たな事業体モデル構築」の一環として実施されたものである。本プロジェクトでは、人口減少や高齢化が進む中山間地域において、地域資源管理や農業生産、生活基盤の維持に必要な作業・知識・担い手構造を把握し、それらを支える新たな事業体モデルの構築を目指している。

当日は、岡山大学学術研究院共通教育・グローバル領域の大仲克俊准教授、学術研究院環境生命自然科学学域の駄田井久准教授が参加し、地域の方々の協力のもと、田植え機を用いた作業の様子を収録した。作業者は、視線に近い映像を記録できるウェアラブルカメラに加え、背面に装着した360度カメラ等を活用し、苗の運搬、田植え機への苗の積み込み、操作、圃場内での動線、周囲の確認、作業中の判断などを多角的に記録した。収録した映像データは、今後、岡山理科大学において解析し、作業者の動きや視線、周囲との関係性、作業工程の特徴などを把握するために活用される。

田植え作業は、地域農業を支える基礎的な営みである一方、作業の段取り、機械操作、圃場の状態に応じた判断、複数人での役割分担など、経験に基づく多くの実践知によって成り立っている。こうした知識や技術は、口頭や紙の資料だけでは十分に伝えにくく、担い手の減少が進む地域においては、次世代への継承が重要な課題となっている。

今回の動画収録は、作業者の視点や身体の動き、周囲とのやり取りを映像として記録することで、地域農業に蓄積されてきた暗黙知を可視化することを目的としている。今後、研究者チームでは、前回実施したため池・水路管理活動の記録とあわせて、地域資源管理や農作業のデジタルアーカイブ化、作業マニュアル化、担い手育成への活用可能性について検討を進める方針である。

本取り組みは、地域課題の現場に大学の知を接続し、持続可能な地域社会の実現に向けた実践知の継承と新たな担い手形成を進めるものである。また、岡山大学が地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)で掲げる「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」の実現にも資する活動となっている。

岡山大学は今後も、久米南町や地域関係者と連携しながら、人口減少地域における持続可能な農業・地域資源管理のあり方と、それを支える新たな担い手・事業体モデルの構築に取り組んでいくとしている。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:公益財団法人トヨタ財団
  • 製品・サービス:農業実践知のデジタルアーカイブ化 / 事業体モデル