OpenAIは木曜日(9日)、GPT-5.6シリーズのモデルを正式に全量開放し、同時にオフィス業務向けの汎用AIエージェント『ChatGPT Work』を発表しました。今回のリリースにより、OpenAIは単なるチャットボットから、複数アプリを横断的に操作できる「スーパーアプリ」プラットフォームへと転換を果たしました。
GPT-5.6モデルファミリー:効率とコストの飛躍
次世代のGPT-5.6ファミリーは、フラッグシップモデルのSol、バランス型のTerra、高コストパフォーマンスのLunaの3モデルで構成されています。CEOのサム・アルトマン氏は、SolモデルがAIエージェントによるコーディングタスクにおいて、トークン効率が54%向上したと強調しました。ベンチマークテストでは、Solは競合のClaude Fable 5と同等の性能を発揮しますが、単一タスクあたりの平均コストは後者の約4分の1に抑えられています。この効率性の向上は、モデルがメモリ内で軽量プログラムを自動生成・実行し、ツール間の連携をより正確に制御できる仕組みによるものです。
ChatGPT Work:完全自動の「AIデジタル従業員」
今回の発表の中心となるChatGPT Workは、数時間にわたり継続的に複雑なタスクを処理できる「デジタル従業員」として位置づけられています。従来の対話型インターフェースの制約から脱却し、Slack、Microsoft Teams、Google Drive、および企業データベースに直接接続可能です。
新たに搭載された「スケジュールタスク(Scheduled Tasks)」機能により、ChatGPT Workはオフィスのコミュニケーションツール内のメッセージを自動でスキャンし、重要な情報をPowerPointやドキュメントに抽出できます。さらに、会議のスケジュール調整やリソースの割り当てまで、自律的に実行可能です。
スーパーアプリの統合:Codexの統合とComputer Use機能
OpenAIは、従来独立していたCodexアプリを、新たにリニューアルされたChatGPTデスクトップアプリに統合しました。これは2026年3月以来最大の製品再編成です。新しいデスクトップ版には「コンピュータ使用機能(Computer Use)」が搭載され、ユーザーに代わってPCのバックグラウンドで物理的な操作を実行できます。たとえば、複数のフォルダ間でのファイルのドラッグ&ドロップや、ローカルのソフトウェア内でのメモの分類などが可能です。
また、ユーザーは「@」を入力することで特定のアプリプラグインを呼び出し、ChatGPTが外部ツールのコンテキストを直接活用できるようになります。
Sites機能:アイデアを瞬時にURLに変換
同時に、Sites機能のパブリックベータ版もリリースされました。ユーザーは一文の指示だけで、作業成果やデータ分析結果をインタラクティブなWebアプリケーションやウェブサイトに変換でき、専用のURLを生成してチームと共有できます。リアルタイム更新が必要なデータダッシュボード、プロジェクト追跡ツール、プロダクトプロトタイプの開発において、非常に高い利便性を提供します。
政府の規制と市場動向
なお、GPT-5.6のリリースは、米国政府のセキュリティ審査により一時的に遅れていました。アルトマン氏は、商務省および国家サイバーセキュリティ監督局と緊密に協力し、セキュリティ上の懸念を解決した後に全面公開が許可されたと説明しています。
現在、OpenAIの評価額は8,520億ドルに達しており、来年のIPOを検討中です。今後もAnthropic、Meta、SpaceXなどとのAI開発競争を継続していく予定です。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:新製品
- 関連組織:Anthropic / Meta / SpaceX
- 製品・サービス:GPT-5.6 / ChatGPT Work