Morus株式会社((代表取締役:佐藤亮、本社:東京都千代田区、以下「Morus」)は、大学発のバイオテック・スタートアップとして、カイコ由来の機能性食品素材「MorSilk® Powder」と、自社機能性食品ブランド「KAIKO®」を通じ、人の健康と地球の健康を同時に前進させる新しい食・栄養産業の創出に取り組んでいます。

私たちが目指しているのは、単なる昆虫食でも、単なる代替たんぱくでもありません。日本に5000年以上続く養蚕の叡智と、現代の栄養学・食品科学・養蚕技術を接続し、血糖、腸内環境、免疫、酸化、糖化、コレステロールといった現代人の健康課題に、日常の食から予防の観点でアプローチすること。そして、桑、カイコ、地域産業、研究機関、消費者がつながる循環を設計し直すことで、自然資本を守り活かす、日本発の栄養価値のある食素材「国産栄養資源」の新たなモデルをつくることです。

食べることが、人々の身体を整えるだけでなく、地域の一次産業と自然環境を支える選択肢になる。Morusは、そんな未来の実装に挑んでいます。

世界の健康課題は、生産から食卓まで連動した課題に拡大

世界では、生活習慣病、高齢化、栄養不足、たんぱく質危機、気候変動、食糧安全保障が同時に進行しています。これらは別々の問題に見えますが、根本には共通した問いがあります。私たちは、何を、どこから、どのように食べるのか。そして、その食の選択は、人の身体と地球環境の双方にどんな影響を与えているのか。

現代のフードシステムは、安さ、量、利便性を追求してきた一方で、代謝性疾患の増加、過剰加工、輸入依存、自然資本への負荷という副作用も生みました。ヘルスケアは医療機関の中だけで完結するものではありません。日々の食卓そのものを、予防・未病・パフォーマンス・ウェルビーイングを支えるインフラとして再設計する必要があります。

Morusが着目するカイコは、日本の伝統産業を支えてきた家畜化された生物です。人の暮らしと古代から長く共生してきたこの生物資源を、現代の栄養学で読み解き直すことで、食と健康と自然資本を接続する新しい産業の可能性が見えてきました。

Morusの挑戦。カイコを「高機能バイオ原料」として再定義する

Morusは、カイコを「食べられる昆虫」としてではなく、桑の栄養を取り込み、変換し、濃縮する高機能なバイオ原料プラットフォームとして捉えています。独自開発のMorSilk® Powderは、カイコ由来のシルクタンパクであるセリシン、フィブロインなどに加え、桑由来のDNJ(1-デオキシノジリマイシン)やポリフェノールなどの植物由来有用成分を含む、100%天然由来の機能性素材です。

DNJは糖の吸収阻害に関わる成分として知られ、MorSilk® Powderは血糖値ケア、腸・免疫、糖化・酸化、コレステロールなど、健康を包括的に支える素材として研究開発が進められています。また、自然な抹茶に近い風味と粉末加工適性を持つため、プロテイン、飲料、サプリメント、ガストロノミー、OEM製品など、多様な食品用途へ展開中です。

さらにMorusは、米国イリノイ大学やシンガポール政府研究機関A*starなど国内外の研究機関と連携し、成分の機能性や栄養価の科学的検証を進めています。2026年に国際学術誌Journal of Insects as Food and Feedに掲載された研究では、Morusのカイコパウダー中の亜鉛の生体利用能が桑葉由来の亜鉛よりも高いことが示され、カイコが植物由来栄養素を人が利用しやすい形へ変換する「バイオリアクター」として機能し得る可能性も示されました。

養蚕が開く、ネイチャーポジティブな「国産栄養資源」の可能性

ネイチャーポジティブとは、単に環境負荷を下げることだけではなく、生物多様性の損失を止め、自然を回復軌道に乗せることです。それらを食の切り口で取り組む概念が、ネイチャーポジティブフードです。養蚕を起点とした食産業には、自然資本を守り活かすための重要なヒントがあり、まさにネイチャーポジティブフードの一事例として取り組んでいます。

第一に、カイコは人類、自然と長く共生してきた家畜化昆虫であり、管理された環境下での量産適性が高い生物です。第二に、カイコの食物源である桑は、日本各地の地域資源として再活用できる可能性があります。第三に、カイコ由来原料は、低CO2排出・低水使用量といった観点から、従来型の畜産などの栄養資源に比べて環境負荷の低い栄養素材として期待されています。

Morusが描くのは、自然を一方的に搾取するフードテックではありません。日本に残る養蚕の知見、地域の農地、桑の栽培、研究機関の科学、都市の消費者がつながり、食べることが地域産業と自然資本を支える選択肢になる循環です。

この構想は、Morusが関わる一般社団法人ネイチャーポジティブフード(https://www.naturepositivefood.org/)の思想とも重なります。同団体は、自然資本の保存、一次産業の支援、食・栄養文化の発展を三軸に、日本発の新たな食事業のあり方を掲げています。Morusは、その中核となる「国産栄養資源」の実装企業として、伝統産業を未来の栄養インフラへ変えていきます。

日本の伝統産業を、世界のヘルスケア・フードシステムへ。プラネタリーヘルスへ。

Morusは現在、B2B原料供給、自社ブランドKAIKO®、OEM事業、共同研究、栄養学講習事業を通じて、カイコ由来原料の社会実装を進めています。シンガポールをはじめとするASEAN市場では、健康意識の高い生活者、美容・ウェルネス領域、スポーツ栄養、クリニック、百貨店、ガストロノミーなど、多様なチャネルでの展開が始まっています。

今後Morusが目指す価値創出は、次の三つです。

・人のヘルスケア:血糖値ケア、腸内環境、免疫、糖化・酸化、コレステロール、筋力・美容など、日常の食から健康を支える新しい栄養習慣をつくる。

・地球の健康:低環境負荷の生産体系、桑・カイコを起点とした地域資源循環、自然資本を守り活かすサプライチェーンを構築する。

・地域と文化の再生:縮小してきた日本の養蚕産業を、機能性食品・ヘルスケア・バイオ素材の産業へ再定義し、国内の一次産業と研究資源を世界市場へ接続、還元する。

総じて人、地球、社会/伝統文化の再生、これらを同時に実現していくことをプラネタリーヘルスとモルスは定義します。

かつて絹糸として世界を魅了したカイコは、これからは栄養と健康の素材として、再び世界へ向かいます。Morusは、日本の伝統を守るために過去へ戻るのではなく、伝統を科学で温故知新で進化させ、未来の食とヘルスケアの基盤へと進化させていきます。

代表取締役 佐藤亮 メッセージ

「Morusは、昆虫食の会社でも、単なる代替たんぱくの会社でもありません。私たちが取り組んでいるのは、日本が長く育んできた養蚕という伝統資源を、栄養学とバイオテクノロジーによって現代の予防医療産業へ進化させることです。

カイコは、桑の栄養を取り込み、人にとって有用な形

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:新製品
  • 関連組織:米国イリノイ大学 / A*star / 一般社団法人ネイチャーポジティブフード
  • 製品・サービス:MorSilk® Powder / KAIKO®