米中の宇宙競争が南米にも拡大 中国の天文望遠鏡建設が停滞

米中間の宇宙開発競争が南米に拡大し、米国がアルゼンチンとチリに対し、中国による天文望遠鏡プロジェクトの中止を圧力をかけ、両国は計画を停止させました。米国はこれらの施設が軍事利用される可能性を懸念しています。
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  • 📰 発表: 2026年5月11日 22:20
  • 🔍 収集: 2026年5月11日 22:32(発表から11分後)
  • 🤖 AI分析完了: 2026年5月11日 23:23(収集から50分後)
中央社 (中央社ニューヨーク11日総合外電報道)ニューヨーク・タイムズは、米中の宇宙競争が南米にまで拡大し、米国がアルゼンチンとチリに対し、両国内で進む中国の天文望遠鏡計画を一時停止するよう圧力をかけていると報じた。研究者からは科学研究の進展が妨げられているとの声が出る一方、米政府当局者は、北京がこうした設備を軍事目的に利用する可能性を懸念している。 ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)によると、アルゼンチン・サンフアン州のアンデス山脈(Andes)山麓にあるセスコ天文台(Cesco Observatory)の大型中国製電波望遠鏡は、これまで一度も信号を受信していない。米政府による度重なる圧力の後、アルゼンチンは計画の停止を命じた。望遠鏡全体は重要部品を欠いたまま分断された状態となり、巨大なアンテナは空に向かってむなしくそびえている。 この望遠鏡は15年前、アルゼンチンのサンフアン国立大学(National University of San Juan、UNSJ)と中国科学院国家天文台が進めた計画で、投資規模は3200万米ドル(約10億台湾元)に上る。直径130メートルの巨大な衛星皿型アンテナを備え、宇宙深部からの電波を捉え、科学者が銀河誕生の地図を作成する助けになるとされていた。 トランプ(Donald Trump)米政権は、ワシントンが西半球で影響力を増す北京に対抗する一環として、新版モンロー主義(Monroe Doctrine)を推進していると表明している。一方、中国は多くの中南米諸国にとって主要な貿易相手であり、科学と安全保障の分野で協力を強化しようとしている。 この望遠鏡は当初、南米最大規模の同種設備になると期待されていたが、最終段階で必要となる一部の重要部品が税関に入った際、当局に約9カ月間差し押さえられた。 アルゼンチン政府の内閣首席大臣室の文書によると、協力協定の期限切れ後の更新手続きで違反が報告され、計画の遅延につながった。アルゼンチン側は、米国の外交圧力が関連する決定に影響したかどうかについて回答を控えた。 複数の元・現職米政府当局者は、米側がアルゼンチン当局に対し、中国の望遠鏡計画への懸念を繰り返し伝えてきたと述べた。これらの設備が米国の衛星を追跡したり、中国の衛星と通信したりするために使われる可能性を懸念しているという。こうした圧力はバイデン(Joe Biden)前政権時代に始まり、トランプ政権下でも続いているとされる。 科学者たちは当初、中国や他国と望遠鏡資源を共有することを期待していた。しかし今、米中のせめぎ合いは南米の砂漠にまで広がり、広大な宇宙の探査を脅かしている。 61歳の天文学者アナ・マリア・パチェコ(Ana Maria Pacheco)氏は「私たちは政治的なブラックホールに陥っている」と述べた。この電波望遠鏡は、北半球に比べて関連機器が不足している南半球の格差を埋める助けになるはずだったという。米国務省は、ニューヨーク・タイムズのコメント要請に現時点で回答していない。 米当局者は、中国のラテンアメリカにおける影響力を完全に排除するのは容易ではないと認識していると述べた。ただ、サンフアン州の電波望遠鏡計画が停止したことは、米国外交が中国の宇宙、さらには軍事面での野心を抑える助けになることを示しているとみている。 米国務省の促しを受け、米通商代表部(USTR)は新たな二国間貿易協定を結ぶ際、アルゼンチンと中国の宇宙分野での協力を制限する条項を追加した。協定はアルゼンチンに対し、「米政府の専門家と協力し、他国が運用する宇宙施設に十分な管理措置を実施し、それらが民間用途のみに使われることを確保する」よう求めている。 現在、この望遠鏡の白い金属構造は、巨大な骨格のように放置されている。望遠鏡施設の地下室では、中国人技術者が机の上に残していった箸、オイスターソースの缶、茶葉の缶が見られ、壁にはピューマに遭遇した際の対応を示す中国語の標語が掲げられている。 同様の状況は、チリのアタカマ砂漠(Atacama Desert)でも起きている。米大使の強い働きかけを受け、チリは昨年、砂漠での中国の宇宙天文台計画を停止した。当時、天文台建設のために造られた山道は、今では事実上放棄された状態になっている。 この計画では、小惑星や銀河系外の爆発現象を監視するため、100基の望遠鏡を設置する予定だった。しかしチリ当局は、米側の度重なる圧力を受け、計画の進展を阻止した。 ベルナデット・ミーハン(Bernadette Meehan)駐チリ米大使は、この計画についてチリ政府の最高レベルに働きかけたと述べ、「計画を実現させないことは、米政府にとって極めて重要だった」とし、自身の任期中で最も差し迫った課題の一つだったと明言した。 また同氏は、チリやアルゼンチンなどの国々と緊密な関係を維持することは、「中国が地政戦略上の突破口を広げるのを防ぐ」うえで不可欠だと述べた。(翻訳・編集:洪啓原)1150511 事実と共に立つ選択を。皆さま一人ひとりの支援が、報道の自由を守る力になります。 中央社「一手新聞」アプリをダウンロードし、最新ニュースをリアルタイムで把握できます。 本サイトの文章、画像、映像・音声は、許可なく転載、公開放送、公開送信、利用することはできません。