中央通信社、台南発。国立成功大学は14日2019年ノーベル生理学・医学賞受賞者のグレッグ・セメンザ氏を招き、特別講演を開催しました。セメンザ氏は地球の大気循環と人体の細胞生理が密接に関係していることを指摘し、酸素恒常性が人類生存の根幹であると強調しました。

成功大学の張始偉副学長は開会の挨拶で、同大が世界平和基金会による「台湾ブリッジ・プロジェクト」に参加し、ノーベル賞受賞者シリーズ講演会を主催していることに言及。トップレベルの科学者と台湾の学者が直接対話することで、台湾と世界の間に平和とコミュニケーションの架け橋を築くというプロジェクトの趣旨に賛同する姿勢を示しました。

今回の講演は同シリーズの第2弾として「地球上の生命サイクル:グローバルなマクロ視点と個人のミクロ視点(Life Cycles on Earth:Global and Personal)」というテーマで開催されました。分子生物学の視点から、細胞がいかにして酸素を感知するかが地球規模の持続可能な生命サイクルと深く結びついているかを解説し、人類と環境の共生関係について深く考えさせる内容となりました。

成功大学によると、本講演は腫瘍分子メカニズムの専門家である医学部薬理学科の王憶卿教授が司会を務めました。議論は、極限環境下における「低酸素誘導因子(HIFs)」のメカニズムから、気候変動や環境変化が引き起こす生命への脅威、そして医療的課題にまで及びました。

セメンザ氏は講演の中で、地球が20億年かけて酸素を含んだ大気と安定した生態系を築き上げた一方、過去数十年の化石燃料の大量消費によってそれが破壊されていると警告しました。二酸化炭素と酸素のバランスが崩れれば、現在知られる人類の生命形態は危機に瀕し、地球温暖化や壊滅的な気候変動を招くと指摘しました。

セメンザ氏は、研究チームが解明したHIF分子メカニズムについて、細胞が酸素濃度の変化に応じて遺伝子発現を調節し、環境に適応するための重要なシステムであると解説。この研究成果は、がん治療薬の開発や心血管疾患、貧血の研究に多大な影響を与えており、気候変動や環境ストレス下における生命の適応メカニズムを理解するための重要な科学的基盤になると強調しました。

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  • 出典:中央社 CNA
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