【ベルリン中央社】NATO諸国の軍備拡張に伴い、ドイツは防衛産業の強化を急いでいる。民間向けの既存工業技術を軍事生産に応用する動きが強まっており、専門家は既存の工業力を軍需サプライチェーンに組み込むだけでなく、同盟国との連携による共同開発や生産拡大がドイツ全体の工業転換を促していると分析する。

ドイツ商工会議所(DIHK)の調査報告によると、防衛産業はドイツ工業の重要な柱となりつつある。現在、ドイツ製造業の約17%が防衛関連のサプライチェーンに関与しており、特に自動車産業ではその比率が約36%に達している。

ドイツ連邦貿易投資機関(GTAI)の専門家、クリストフ・メスター氏は、政府が2030年までに軍備強化へ約1000億ユーロを投じる計画であり、これが関連産業に長期的な需要をもたらすと指摘する。これはドイツの全工業が武器生産へ転向することを意味するのではなく、機械、自動化、電子機器、車両、航空宇宙などの核心的製造業が、民軍両用(デュアルユース)技術を通じて軍需市場へ参入することを指す。

この傾向は特に自動車産業で顕著だ。テューリンゲン州自動車協会が3月に発表した研究では、ドイツの軍需供給網の約3分の1が自動車関連企業であることが明らかになった。研究者のウェルナー・オレ氏は、金属加工や電子技術などの分野で自動車産業と軍需産業の技術が重複しており、小規模受注にも対応可能な中小企業にとって参入の好機となっていると説明する。

産業転換に加え、ドイツは同盟国との協力体制も強化している。フォルクスワーゲンは、オスナブリュック工場の生産ラインを「アイアン・ドーム」ミサイル防衛システムの部品製造に転換し、イスラエルの国防企業と協力を開始した。また、莱茵金属(ラインメタル)はオランダのDestinus社と合弁会社を設立し、欧州・NATO市場向けに巡航ミサイルや弾道ミサイルの量産を目指す。さらに、ゼレンスキー大統領の訪独時には、ドイツとウクライナがミュンヘンで長距離攻撃型ドローンを共同生産することで合意し、ドイツの製造能力とウクライナの戦場での経験を融合させる連携が発表された。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:Destinus