かつてはオルバン・ヴィクトル首相の演説に最前列で拍手を送っていたペーテル・マジャル氏が、今やこの民族主義的指導者にとって最大の脅威となりました。2024年に急速に頭角を現したマジャル氏は、自身がかつて所属した与党「フィデス」内で「永遠の野党」と呼ばれていたと語ります。しかし、今回の歴史的な選挙でマジャル氏率いる中道右派の「尊重と自由党(Tisza)」は、199議席中137議席を獲得する圧勝を収め、オルバン氏の16年にわたる支配に終止符を打ちました。
マジャル氏は、オルバン氏が築き上げた政治体制を「レンガ一つずつ」解体すると公約しています。専門家は、彼がかつて体制内部にいた人物であることが、元フィデス支持者への説得力につながったと分析しています。マジャル氏は、オルバン氏がかつて民主化の英雄だった頃の情熱を彷彿とさせつつ、現政権が抱える腐敗や汚職のしがらみがない存在として支持を広げました。
マジャル氏が公の場に現れたのは、元妻であるユディト・ヴァルガ元法相が、恩赦を巡るスキャンダルで辞任したことがきっかけでした。その後、政権の腐敗を告発し、わずか数ヶ月で欧州議会選挙で躍進しました。今後は、オルバン政権下で悪化した欧州連合(EU)との関係修復や、2035年までのロシア産エネルギー依存からの脱却を目指す方針です。一方で、移民政策については現行の国境フェンス維持を支持するなど、現実的な姿勢も見せています。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:ニュース
- 関連組織:尊重と自由黨」(Tisza) / Partizan