(中央社東京4日総合外電)米国のシンクタンク「アジア社会政策研究所(ASPI)中国分析センター」の高級研究員ダイアナ・チョイレバ氏は、米中関係は最近緩和の兆しを見せているものの、台湾問題が依然として二国間関係の核心的課題であるため、この緩和は戦術的なものに過ぎず長続きしないとの見解を示した。

ロンドンの経済コンサルティング会社「エノード・エコノミクス(Enodo Economics)」のチーフエコノミストも務めるチョイレバ氏は、「日経アジア(Nikkei Asia)」に寄稿し、トランプ米大統領の5月の訪中と習近平国家主席との首脳会談で合意された経済・貿易協定は短期的な緊張緩和には役立つものの、両国の安全保障と戦略分野における構造的な隔たりを解消するものではないと論じた。

チョイレバ氏は、トランプ・習会談で中国は少なくとも170億ドル相当の米国農産物と200機のボーイング機の購入を約束し、既存の経済・貿易合意を推進するための貿易・投資対話メカニズムを米国と設立することに合意したと指摘。しかし、これらの措置の多くは既に市場の予想範囲内であり、大きな進展ではなく、限定的な前向きシグナルに過ぎないと述べた。

同氏は、米中間の構造的矛盾は未解決であり、技術の切り離しと輸出規制は継続しており、北京は外部サプライチェーンへの依存を減らすため、ほぼ「要塞経済」とも言える体制を構築し続けていると指摘。5月のトランプ・習会談は、戦略的な調整というよりも、戦術的な一時停止を示すものだと述べた。

市場の見方としては、ワシントンと北京はどちらも危機を望んでおらず、双方とも少なくとも2027年までは関係を安定させたいと考える十分な理由があり、対立の激化を避けるため、より安定した段階に入りつつあるという。チョイレバ氏はこの見方はおそらく正しいとしつつも、ここでの「安定」と「持続」は同じ概念ではなく、その鍵を握る要因の一つが台湾であると指摘する。

もしトランプ氏が実際に台湾への支持を弱めれば、北京は圧力が効いたと見てさらに要求を強めるだろう。一方、トランプ氏が対台湾武器売却を継続すれば、中国側は応酬する可能性が高く、いずれの結果も米中関係の緩和の脆弱性を浮き彫りにするだろうと述べた。

チョイレバ氏はまた、トランプ・習会談当時の関連報道によれば、習近平氏が日本の高市早苗首相と台湾の頼清德総統を同列に扱い、両者とも地域の平和に対する脅威であると述べたことを指摘。この異例の表現は、北京が台湾と日本を同一の問題と見なし始めている可能性を示している。

さらに、ブルームバーグ・ニュースの報道によれば、日本とフィリピンは先週、二国間関係を強化し、軍事情報共有協定の締結を含む一連の防衛交渉を開始することに合意した。これは、トランプ氏の「アメリカ第一主義」と同盟国への負担増要求の下で、地域の同盟国がより自立する必要があることを浮き彫りにしている。

米空軍退役大佐で海洋監視団体「シーライト財団(SeaLight Foundation)」の創設者であるレイモンド・パウエル氏は、日菲両国はより広範なパートナーネットワークの構築を加速していると述べ、「もし北京が市場と海洋空間を武器化するつもりなら、近隣諸国はそれに対応するため、より緻密で強靭なネットワークを編む必要がある」と語った。

立命館アジア太平洋大学の国際関係学教授、佐藤洋一郎氏は、米国が東アジアにおいて十分かつ信頼性のある抑止力を提供できなくなったことが、日菲両国が軍事協力を加速・深化させる主な理由だと述べた。(編集:劉文瑜、張茗喧)1150604

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