1958年四川省生まれの廖亦武氏は、1989年の天安門事件当日に長編詩「大屠殺(大虐殺)」を執筆し、その後逮捕されました。2011年にドイツへ亡命して以来、15年にわたり執筆や講演を通じて中国の人権侵害を告発し続けています。同氏の作品は、中国の極権体制の批判や底辺層の生活を描いたものが多く、チェコ語にも「底辺の住民との対話」や「弾丸と阿片」などが翻訳されています。

近年、極権統治下で迫害を受ける中国のキリスト教徒の実話を描いた2013年の著作「神は赤」のチェコ語版が出版されました。廖氏は執筆のきっかけについて、暗い部屋で懐中電灯の光を頼りに白内障手術を行う中国人医師に出会い、その過酷な環境に衝撃を受けたこと、そしてその後、多くのキリスト教徒を取材した経験を語りました。また、2018年に「国家政権転覆扇動罪」などで懲役9年の判決を受けた王怡牧師についても言及し、逮捕前日に届いた手紙の重みを振り返りました。

プラハ訪問中、廖氏はビストルチル上院議長と会談し、自身の著作を贈呈しました。ビストルチル議長はX(旧Twitter)で、廖氏を「時代を記録する歩く録音機」と称し、その活動を高く評価しました。また、廖氏は人権団体らの助言を受け、富察氏、黎智英氏、黄之鋒氏ら13名の中国における政治犯リストを議長に直接手渡しました。ビストルチル議長はこれを受け取り、リストの翻訳や関係各所への伝達を約束しました。

廖氏とプラハの縁は深く、2013年には国際ブックフェアに参加しています。当時、中国大使館は廖氏の参加を「異議分子である」として激しく抗議し、中国作家代表団を撤退させるなどの圧力をかけました。しかし、これに対しチェコ側は「異論を持たない作家が作家と言えるのか」と疑問を呈し、結果として廖氏が大きな注目を集めることとなりました。歴史的にハヴェル元大統領やカフカなど、異論を唱える作家を重んじてきたチェコの知的風土が、中国側の圧力を退けた形となりました。

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  • 出典:中央社 CNA
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