オスラー病/HHTは、全身の血管に異常を生じる全診療科に関係する指定難病であり、鼻出血はその代表的症状の一つでサインです。しかし、オスラー病患者の鼻出血は一般的な鼻血止血とは異なり、鼻腔内に多発する脆い毛細血管拡張や血管奇形から出血するもので、通常の電気焼灼術・圧迫止血、ガーゼパッキング、レーザー焼灼などの処置により一時的に止血出来たとしても後で、かえって出血が悪化することがあります。

今回の効能追加5月13日の承認されており、日々くり返す重症鼻出血に苦しむ患者にとって、命と生活の質を守るための重大な前進です。

なお、公示については諸条件が揃うと同時に行われるとの回答がありました。

経 過

2024年4月以降、必要な止血材が使えなくなる深刻な事態にサージセルは、オスラー病患者の重症鼻出血に対し、患者本人が医師の指導のもとで止血に用いてきた重要な止血材でした。

しかし、2024年4月以降、それまで処方されていた止血材が「手術材料」として区分変更され、患者が従来のように処方を受けることが困難となる事態が発生しました。

その結果、これまで在宅や外来で止血できていた患者が止血困難となり、救急要請を余儀なくされる事例が増加しました。さらに、救急要請をしても受け入れ先が見つからない、医療機関でオスラー病に適した止血処置を受けられない、輸血に至るなど、患者が生命の危機を感じる深刻な状況が生じていました。(オスラー病(HHT)患者会|くり返す鼻血・指定難病227の相談と情報)

オスラー病患者にとって、鼻出血による受診拒否や診療困難は決して珍しいことではなく、患者会には長年にわたり多くの相談が寄せられてきました。

患者自身で研究・止血ケア方を確立

日本オスラー病患者会理事長自らが長年苦しんできたオスラー病鼻出血の止血方法を研究し、少数の理解ある医師の協力を得ながら、オスラー病患者に適したサージセルの使用方法について研究を重ねてきました。

サージセルを適切に使用することで、患者自身が出血をコントロールできるケースが増え、救急搬送、耳鼻科での誤った処置、放置による輸血、入院などを回避できる可能性が見えてきました。

しかし、いきなりの制度上の区分変更により、患者が必要な時に止血材を使用できない状況となってしまいました。

要望の道のり

患者会ではサージセルの安定的な供給使用を求め、署名活動を開始し賛同の署名が後押しし、患者会ではオスラー病/HHT患者の「鼻腔内多発性毛細血管出血」と名付け鼻出血に対する、署名活動を継続しました。

患者会理事長が厚生労働省に面談要望を行い要望書を提出し、オスラー病患者の実態、止血困難事例、医療現場での誤った止血法の改善、自己止血による合理性と医療費抑制などについて要請活動を続けてまいりました。

2万人以上の署名が原動力に!

署名には2万人を超える皆さまから賛同をいただきました。

署名にご協力いただいた皆さま、患者・家族の声を届けてくださった皆さま、医療現場で理解を示してくださった医師・医療関係者、関係企業、行政関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。

患者会が主導

今回の患者会主導での効能追加承認は、希少難病であっても、患者自身の声、患者会の調査、医療者との連携、行政への継続的な要望により、制度を動かし得ることを示す重要な事例です。

耳鼻科医・救命士・医療関係者に認知されないため被害が続出

オスラー病の鼻出血は「一般的な鼻血」ではありません。

オスラー病/HHTの鼻出血は、一般的な鼻血とは病態が異なります。

鼻腔内に多発する脆い毛細血管拡張から出血するものであり、当会ではこれを

「鼻腔内多発性毛細血管出血」として捉えています。

通常の鼻血に対して行われる強い圧迫・電気焼灼術・レーザー止血・ガーゼパッキングなどの処置が、一時的に止血出来ても難治性であるために、かえって血管を損傷、出血を悪化させたり、止血困難に陥らせたりすることがあります。最悪のケースでは鼻中隔穿孔(鼻の真ん中に穴が空く)で止血困難になるケースもあり患者会にも数名被害者がいます。

患者会会員の患者はこれまで、「通常の鼻血とは違う」「強く押さえると悪化する」「ガーゼを抜く時に再出血する」と説明してきました。しかし、医療現場や救急現場で十分に理解されないため、長年にわたり厳しい環境に置かれ被害を被ってきました。

患者会会員には情報を提供していても「医師から無視されたり」「途中やめようか」「夜間には来ないで」など言われることもあり患者は精神的にも肉体的にも疲弊をしています。これを解決する手段として理事長が考案した止血材料のサージセルによる自己止血処置であります。これが出来る事で患者の90%以上が自己止血出来るためQOLの向上・重症貧血の改善・精神的負担の減少・救急搬送の減少と医師への負担軽減・医療費抑制などメリットは多数であります。

困難の継続

今回の効能追加承認は大きな前進ですが、承認されたという事実だけで、全国の患者が直ちに安心して使用できる状況になるわけではありません。

効能追加承認されても、次には中央薬事審議会などの健康保険適用承認手続きや様々な手続きが山積しています

完全承認されても全国の患者が安心して使えるための体制整備が必要

医師・看護師・薬局・救命士などへのオスラー病鼻血止血の教育整備

止血材サージセルの病院や薬局での確保など

日本オスラー病患者会では、今後も厚生労働省、関係企業、医療機関、医療関係者と連携し、必要な患者が必要な時にサージセルを使用できる体制の整備を求めてまいります。

医療関係者の皆さまへ

オスラー病/HHTの鼻出血は、一般的な鼻血とは異なる病態です。この鼻血はオスラー病のサインの一つです。

患者が「通常の鼻血とは違う」「電気焼灼術・圧迫・ガーゼパッキングで悪化するのでやめてほしい」「サージセルで止血してほしい」と説明した場合には、患者の経験を軽視せず、病態に応じた慎重な対応をお願いいたします。

重症鼻出血のある患者にとって、適切な止血材を使用できるかどうかは、救急搬送、輸血、貧血悪化、睡眠障害、就労困難、日常生活の維持に直結する重要な問題です。

当会では、今後も医療関係者の皆さまに向けて、オスラー病の鼻出血の特殊性と止血対応について情報発信を続けてまいります。

日本オスラー病患者会 理事長コメント

オスラー病の鼻出血は、一般的な鼻血ではありません。

127回日本耳鼻咽喉科頭頸部学会のパネラーとしてオスラー病概要とオスラー病鼻血止血の手技について講演をさせて頂きました。

鼻腔内に「多発する脆い毛細血管拡張や血管奇形」からの出血であり、一般的な止血処置によって重篤化することもあり生命危機以外には最大の注意が必要です。

患者はこれまで、何度も出血し、何度も説明し、それでも理解されず、救急搬送受入遅延や受診拒否、により輸血や入院に至るような厳しい状況に置かれてきました。

今回のサージセル効能追加承認は、2万人を超える署名にご協力いただいた皆さま、患者・家族の切実な声、そして少数の理解ある医師の協力があって実現し

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:ニュース
  • 製品・サービス:サージセル