特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、現在ネパール・ルンビニ州ルパンデヒ郡周辺の複数の学校において、平和教育をテーマとした授業を実施しています。6月1日、2日には6つの学校を周り現地教育行政機関・学校関係者に「日本の教育モデル」を模範授業として行いました。
今回の授業では、戦後80年を迎える日本が、焼け野原から復興し、科学・ものづくり・教育の力によって発展してきた歩みを紹介。さらに、豊かになった日本が今、「誰かを助ける」行動を通じて世界の平和づくりに参加していることを、子どもたちに伝えました。
授業では、長崎県壱岐市立筒城小学校、兵庫県加古川市両荘みらい学園の児童生徒が翻訳に関わった絵本『はじめてのヒロシマ』を用いて、日本の戦争の歴史と、その後の復興の歩みを紹介しました。また、お手玉YOYOやブラックライトペンを使い、身近な遊びや道具の中にある科学の仕組みを体験的に学ぶ授業を行いました。
なかよし学園が展開する「世界とつながる学び」は、広島市立広島特別支援学校の実践を含め、Inclusive Education in Actionにおいて、支援される側と支援する側という一方向の関係を超え、子どもたちが教材制作・共有・フィードバック・再設計を通じて主体性を育む循環型モデルとして紹介されています。
各授業では、「How to develop」をテーマに、日本が戦後の困難な時代からどのように発展してきたのかを、子どもたちに分かりやすく説明しました。身の回りの現象に興味を持ち、よく観察し、試し、失敗し、もう一度工夫する。その積み重ねが、ものづくりの基礎となり、アイデアとトライアンドエラーによってイノベーションを生み出してきたことを伝えました。
お手玉YOYOでは、ゴムの弾性、力の向き、軌道の予測など、遊びの中にある物理の仕組みを紹介。ブラックライトペンでは、「なぜ私たちは見ることができるのか」「光があるから世界が見える」という問いを通じて、光の性質を学びました。授業では、「We can see. Why? We need light. Nepal needs light. Teachers are light. Students are light.」というメッセージを掲げ、教育こそが子どもたち自身を未来の光にするものであると伝えました。
『はじめてのヒロシマ』で伝えた、戦争の記憶と“その後” 今回の授業では、長崎県壱岐市立筒城小学校、兵庫県加古川市両荘みらい学園の児童生徒が翻訳に関わった絵本『はじめてのヒロシマ』を活用し、日本が経験した戦争の歴史、原爆、そして戦後の復興について紹介しました。この授業では単に戦争の悲惨さを伝えるだけでなく、日本の戦争の「その後」に焦点を当てています。戦争で多くを失った日本が、教育を土台に復興し、科学技術とものづくりによって国を発展させ、今では世界の子どもたちを支える側として行動していること。その歩みこそが、日本の平和の姿であり、平和教育の根源であると説明しました。
また、その証明として日本の生徒児童たち、なかよし学園サポーターの方々が作成した教材を活用し、ネパールの児童生徒、教職員の方々に日本の遊びを体験してもらいました。身の回りの簡単なものを使った遊びによって日本人は世界を知り、科学を知り、それを活用することで世界に通用する製品を作っていくことができるようになったと中村雄一代表は説明しました。
授業では、長崎県対馬市の海洋プラスチック問題と、その課題解決に向けたリサイクル素材のフライングディスクを紹介しました。海に流れ着くごみは、一つの地域だけの問題ではありません。海は国境を越えてつながっており、環境問題は世界共通の課題です。なかよし学園では、このフライングディスクを活用したアルティメット普及活動を通じて、環境教育、スポーツ、国際協働、平和教育を一体化した学びを展開しています。子どもたちは実際にフライングディスクに触れ、遊びながら、環境問題と平和づくりがつながっていることを体感しました。
今回の授業では、広島市立広島特別支援学校の児童生徒が制作した平和ポスターを、ネパールの学校に贈呈しました。広島市立広島特別支援学校は、2025年9月に実施されたなかよし学園代表・中村雄一の講演会をきっかけに、「世界とつながる学びプロジェクト」に参加。生徒たちは、広島という平和都市で学ぶ自分たちにできることを考え、カンボジア、シリア、南スーダンなど、世界の子どもたちに向けた支援教材や平和メッセージの制作に取り組んできました。その活動の一つとして制作された平和ポスターは、これまでルワンダの子どもたちにも届けられました。遠く離れたアフリカの地で、日本の子どもたちが描いた平和への願いが紹介され、国や文化、言葉の違いを越えて、「平和を願う心」が共有されました。そして今回、その思いはネパールにも届きました。ネパールの子どもたちは、広島の子どもたちが描いたポスターを通じて、日本の子どもたちが平和について考え、世界の誰かに思いを届けようとしていることを知りました。ポスターは単なる作品ではなく、日本の教室とネパールの教室をつなぐ“平和のメッセージ”として受け取られました。
なかよし学園が大切にしているのは、支援物資を届けることだけではありません。日本の子どもたちが学び、考え、制作したものが世界に届き、その反応が再び日本の学校へ戻ってくることです。この循環によって、日本の子どもたちもまた、自分たちの学びや表現が世界とつながり、誰かの心を動かす経験を得ることができます。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:イベント
- 関連組織:Dolphinpapa
- 製品・サービス:平和教育プログラム / 絵本『はじめてのヒロシマ』