表現者・夏木マリの原点は“音楽”である。映画やテレビ、舞台などで幅広く活躍する夏木だが、歌うときには人間の奥底に届く圧倒的な「日本型ブルース」の精神が感じられる。彼女のライフワークであるブルーノート東京でのライヴ "MARI de MODE 8" が、2026年5月15日から17日に開催された。

5月15日の初日、黒いゴージャスなドレスで登場した夏木マリは、斉藤ノヴ(Perc)を筆頭に、村石雅行(Drs)、田中義人(Gt)、真船勝博(Ba)、井上薫(Key)、柴田敏孝(Pf, Key)という超実力派のバンドメンバーと共にステージを開始した。

1曲目は芸能生活50周年を記念した「東京ブギウギ」。ジャジーなスタイルでの熱唱に続き、定番曲「お掃除おばちゃん」で会場は早くも熱狂の渦に包まれた。続く「鎮静剤」は、マリー・ローランサンの詩をモチーフにしており、人生の苦難すら賛歌に変える彼女の真骨頂が発揮された。

中盤では「Musician」「二の腕」「私は私よ」といった、自身の人生観に根ざした楽曲を披露。夏木の歌声は表面的なハスキーボイスに留まらず、豊富な経験に裏打ちされた情感と説得力を持って聴き手の共感を呼ぶ。また、声優としても知られる彼女のセリフの「すごみ」も、このブルースフィーリングから来ているといえるだろう。

MCでは「セロニアス・モンク」への敬愛を語り、演奏中には柴田の隣でピアノ連弾を披露するなど、音楽を心から楽しむ姿を見せた。後半は、宮崎吾朗監督のアニメ「山賊の娘ローニャ」のエンディングテーマ「PLAYER」(斉藤和義作曲)や、ジャニス・ジョプリンのカバー「Cry Baby」で最高潮に達した。

夏木マリの持つクールさと親しみやすさは、ブルーノート東京という空間に極めてフィットしており、ブルースの普遍性を優しく、かつ力強く体現したステージとなった。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:イベント
  • 関連組織:ブルーノート東京
  • 製品・サービス:MARI de MODE 8 (ライブ公演)