「耐発火性を有する高エネルギー密度リチウムイオン二次電池」を実現

株式会社半導体エネルギー研究所(SEL)は、Niを添加したコバルト酸リチウム(LCNO™)を用いた、耐発火性と高エネルギー密度を両立する新型リチウムイオン二次電池を開発しました。
techNQ 55/100出典:PR Times

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  • 📰 発表: 2026年5月28日 15:00
  • 🔍 収集: 2026年6月1日 02:03(発表から83時間3分後)
  • 🤖 AI分析完了: 2026年6月1日 22:48(収集から20時間44分後)
株式会社半導体エネルギー研究所(神奈川県厚木市、代表取締役会長CEO:山﨑 舜平、以下SEL)は、民生機器向け用途のリチウムイオン二次電池について、釘刺し試験による安全性実証実験を実施しました。本実証では、SELが新たに開発した正極活物質材料であるNi添加コバルト酸リチウム(以下、LCNO™)を適用しました。これにより、耐発火性を有しつつ、かつ、高いエネルギー密度を実現するリチウムイオン二次電池を実現しました。SELが今回開発したLCNO™電池は、コバルト酸リチウム(LCO)電池の持つ高いエネルギー密度を損なわずに、耐発火性能を向上させることに成功しました。釘刺し試験において、試作LCNO™電池は発火せず、セル表面の温度上昇も無く、熱暴走が生じていないことを確認しています。また、LCNO™はLCO市販製品と比べて正極材料の放電エネルギー密度が向上しています。これはLCNO™が持つ構造安定性が重要な役割を果たしています。正極活物質であるLiCoO₂(LCO)は、充放電を繰り返すことで劣化することが知られています。一般的なLCOは、充電時にH1-3相に相変化し、CoO₂層がずれてしまうため、放電時に元の状態に戻ることができなくなります。SELが新規開発したLCNO™は、LCOへのNi、Mg添加を行っています。これにより層状岩塩構造のLCO中のLiサイトにNiやMgが入り、CoO₂層を支え、充電状態でも層状岩塩構造が崩れないことが確認されています。LCNOは、4.6V以上の高電圧充電においてもH1-3相にはならず、O3相とは異なる結晶構造(O3’相)に変化することがXRD測定により確認されています。今回の開発が、発火事故の無い安全・安心な社会の実現に貢献できるものと確信しております。

よくある質問

LCNO™とはどのような材料ですか?

Ni(ニッケル)とMg(マグネシウム)を添加したコバルト酸リチウム(LCO)です。結晶構造を安定させることで、高電圧充電時の劣化を抑制します。

なぜLCNO™電池は発火しないのですか?

正極材料の構造安定性が非常に高く、釘刺し試験においても熱暴走や発火が発生しないことが確認されています。

従来のLCO電池との違いは何ですか?

従来のLCOは高電圧充電時に結晶構造が変化し劣化しますが、LCNO™は異なる結晶構造(O3'相)を維持し、高いエネルギー密度と安全性を両立しています。

この技術はどのような用途を想定していますか?

主にモバイル機器などの民生機器向け用途のリチウムイオン二次電池としての活用を想定しています。

論文はどこで確認できますか?

Communications Materials誌(2024年、5巻108号)に掲載されており、DOI: 10.1038/s43246-024-00543-yからアクセス可能です。