神奈川県民ホールは休館中、神奈川県内33市町村全地域の文化施設などへと活動の場を広げています。半世紀に渡る歴史の中で現代音楽にも深くコミットし、時代を牽引する数々の名舞台、斬新なプロジェクトを制作してきた神奈川県民ホール。この秋、音楽の近未来について考える新シリーズ「Featuring Future シリーズ」を始動いたします。このシリーズでは、当財団音楽事業芸術参与の沼野雄司のプロデュースにより、単にヨーロッパやアメリカの最先端の現代音楽シーンを紹介するに留まらず、21世紀半ばに向けての、現代の音楽の可能性について、シンポジウムを取り入れた公演で深く切り込んでいきます。第1回目は、「AI(人工知能)と音楽の関係について」取り上げます。現在、すでに生活の一部として浸透しはじめている対話AIや生成AIですが、その進化に関してはまさに今が過渡期と言えます。AIを使えば楽譜が読めなくても簡単に音楽を生み出すことができる時代に、作曲家たちがAIをどのように使い、どのように捉えているのか。専門家から聴き手まで芸術文化に関わるすべての人々が、その便利さを享受しながらも問題提起を怠らず前に進むべく、今の時代におけるAIと音楽の関係について向き合う場所を創造します。前半のシンポジウムでは、沼野雄司をはじめ、多彩な登壇者を迎えます。人間の音楽的知識を取り込んだ「対話型遺伝的プログラム」を用いて音楽を作る研究など、クラシック現代音楽の作曲家の立場から、長年音楽AIを研究・開発してきた安藤大地。AI研究者であり、アーティストとしてもAIを取り入れたDJ活動や音楽制作も行う徳井直生。インターネット黎明期に、へたウマCGイラスト「バカCG」で一世を風靡し、世界初のビットマップ3Dソフトを開発。人工知能美学芸術研究会の代表としてAIによる作品を制作発表している現代美術家・中ザワヒデキ。クラシック音楽や現代音楽ファンにとどまらない幅広い層にアプローチする布陣で、昨今の社会課題ともいえるテーマについて議論します。後半のコンサートでは、今の日本を代表する作曲家3名にAIをテーマとした新曲を委嘱し発表いたします。現音作曲新人賞受賞、国内外で活動する柴山真太朗は、作曲を通じ、新たな音楽的対話や共生のあり方を探求する試みを展開しています。ドラマや映画等の音楽制作を担当、米津玄師や宇多田ヒカルの編曲者としても知られる坂東祐大は、元来は立体音響を駆使したサウンドインスタレーションなどを専門としていました。また、国内外で多数の受賞歴をもつ向井響は、現在はポルト大学博士研究員として研究を重ね、世界最大級の音響・音楽研究機関であるパリの IRCAM にて AI を取り入れた作曲活動を行なっています。それぞれ異なる得意、専門領域を持つ彼らが書き下ろす作品が、気鋭の若手演奏家たちにより世界初演されます。これからの人間と音楽のあり方について多角的な視点で考察し、近未来への扉を開くエキサイティングな試みに、ぜひお立会いください。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR TIMES
- 分類:event_announcement
- 関連組織:神奈川県民ホール