ルーカス・フォグリア〈Constant Bloom〉より

技術・才能・寛容性、3つのTが交差する場所に文化は生まれる——

そのコンセプトのもと、世界からトップアーティストと主要文化機関のキュレーターたちを迎える写真フェスティバル「T3」が、8回目の開催を迎えます。

2026年のテーマ|「と(&)」】

「と」は、日本語でいちばん小さな接続詞です。

けれど、世界のかたちを決めているのはこの小さな一文字かもしれません。

「自分と他者」「男と女」「自然と都市」——私たちはいつの間にか、「と」をどちらかを選ぶための区切りとして使っています。ですが、表裏一体や陰陽という言葉があるようにアジアには二項対立ではない「ものの見方」があるはずです。

写真は、もともと「と」の芸術です。撮る者と、写る者の眼差しが交差し、写真となった世界の断片は並べられ繋がり、作品と、見る者が、静かに触れる。

T3 2026は、世界中の写真家たちとともにこの最も小さな接続詞「と」から世界の可能性を問い直す24日間です。

EXHIBITIONS

先行して4つの展示を紹介します。【メイン企画展2】を含む残りの作家は8月上旬に発表します。

【メイン企画展1】

ルーカス・フォグリア

会場|東京ミッドタウン八重洲

ルーカス・フォグリア〈Constant Bloom〉よりルーカス・フォグリア〈Constant Bloom〉より

Constant Bloom

ペインテッド・レディ(ヒメアカタテハ)は、世界最長の渡りを行う蝶である。アフリカから中東、地中海を越え、ヨーロッパへと移動するその軌跡を追いながら、Lucas Fogliaは、同じように国境を越えて移動する人々の姿を記録した。

『Constant Bloom』は、自然と人間、生態系と政治的境界線を切り離されたものとしてではなく、ひとつの連続した風景として捉え直そうとする作品だ。蝶の移動と人間の移動。その二つが重なるとき、私たちが「境界」と呼んでいるものの曖昧さが静かに浮かび上がってくる。

Lucas Foglia(ルーカス・フォグリア)

1983年生まれ、アメリカ出身。ブラウン大学(2005年、BFA)、イェール大学(2010年、MFA)卒業。「人間と自然の関係」を一貫したテーマに据え、明確な美学と叙情的な視点で社会問題を写真に昇華させる。2024年度グッゲンハイム・フェローに選出。国際写真センター(ICP)、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)、デンバー現代美術館、ナショナル・ギャラリー・オブ・アート、サンフランシスコ近代美術館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館など、数々の美術館で所蔵・展示されている。2025年に刊行された6冊目の写真集『Constant Bloom』(ナズラエリ・プレス)は世界的に高い評価を得ている。

【企画展1】

サラ・ファン・ライ

会場|東京建物日本橋ビル+三栄ビル

Sarah van Rij, Tullips, 2026Sarah van Rij, Florence, 2021

Atlas of Echoes(仮)

サラ・ファン・ライは都市を歩き、記録しているのか、構築しているのか——その問いに答えないまま、シャッターを切る。通行人は都市という劇場の登場人物となり、窓越しのシルエット、落ちた影、動く手の断片が、ひとつの詩的な物語へと編まれていく。T3では、パリ、ニューヨーク、ソウルを歩いて生まれた作品を、三栄ビルの屋外壁面と東京建物日本橋ビルの内部空間に展開。東京の街そのものを、作品のあらたな舞台として取り込む。

Sarah van Rij(サラ・ファン・ライ)

1990年、オランダ生まれ。独学で写真を学び、現在はアムステルダムとパリを拠点に活動。ニューヨーク、パリ、ソウルなど様々な都市のストリートで日常の断片を切り取った作品 を制作する。どこかノスタルジックでありながら現代的な要素を持つ表現は、いつか見た夢のような印象を与える。

【企画展2】

図版アントニー・ケアンズ、ピータン|STUDIO + 拡張する現代写真

会場|TODA BUILDING

Exhibition view 'PXL CTY' by Antony Cairns at MEP – Maison européenne de la photographie, Paris, 2022. ©Tadzio©PIDAN Arrival Without Movement

図版STUDIO+|拡張する現代写真 #2

Maison Européenne de la Photographie(MEP)との国際共同企画

写真は「撮る(TAKE)」ことで世界を切り取り、「私とあなた」「光と影」「記録と表現」といった対立をその内に抱え込んできたメディアです。しかし、撮影から出力までを担う装置が進化し続ける現代において、写真の境界線はつねに曖昧で流動的なものになりました。現代写真のアーティストたちは、近代が強固に引いたその境界を軽々と越え、対立する二項を架橋しながら表現を切りひらいています。

本展は、MEP(パリ)が新進作家と実験的な写真表現を世界へ送り出すプラットフォーム「STUDIO」と連携した国際共同キュレーション企画です。「フランスと日本」「パリと東京」、そして「制度化された展示空間と、ビルの間隙」ーー複数の"と"が交差する本展は、T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2026 が掲げるテーマ「と(&)」そのものを、展示の構造で体現します。

Antony Cairns(アントニー・ケアンズ)

1980年ロンドン生まれ。銀塩写真の古典技法と旧来のデジタル技術を交錯させ、夜の都市を「データ」として異質な支持体へ再構築する現代写真の重要作家。本展では、1980年代のトイ・ビデオカメラ「PXL2000」で撮影した都市映像を抽象化するプロジェクト「PXL CTY」を発表します。(MEP Studio、Tate Modern「Shape of Light」、Rencontresd'Arles 等で発表)

PIDAN(ピータン)

中国出身、東京在住。物質がイメージへ変換されるプロセスと認識の変容を主題に、世界の「視認」と「誤認」を問い直す作家。本展では、「石を動かすと世界のバランスが崩れる」という禁忌を起点に、石を情報へと変換する《宇宙の一粒を持ち去ろうとした妄想/Arrival Without Movement》の一部を展示します。(KG+Select ノミネート、TOKYO FRONT LINE award 2025 準グランプリ)

MEP(メゾン・ユーロペンヌ・ド・ラ・フォトグラフィー)は、フランス・パリを代表する写真芸術の国際機関であり、著名作家から次世代アーティストまで幅広い展示を行っています。その中でも「STUDIO」プログラムは、若手・新進アーティストに初個展の機会を提供する先鋭的な制度であり、MEPが作品制作費を負担し、報酬も支払う支援型のモデルを採用しています。このプログラムは写真と文学、映像、科学などの異分

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:イベント
  • 関連組織:MEP(メゾン・ユーロペンヌ・ド・ラ・フォトグラフィー) / 三栄ビル / TODA BUILDING
  • 製品・サービス:都市空間アート