アジアゲートウェイ株式会社(本社:東京都千代田区、創業者兼代表取締役社長:木村 友則、以下「AG」)は、カーボン市場におけるデータの標準化と相互運用性の確立を目指す国際的なマルチステークホルダー・イニシアティブ「Carbon Data Open Protocol(以下「CDOP」)」のコミッティメンバーに、日本企業として初めて就任したことをお知らせします。

AGは、CDOPを構成する2つのワーキンググループ ―― Principles & Policies Working Group(PPWG) および Technical Working Group(TWG) ―― の双方に参画し、データ原則・ガバナンスの設計と、共通データスキーマの技術開発の両面に貢献してまいります。 あわせてAGは、本発表を契機に、カーボン市場デジタルインフラ事業 「Carbon Gateway」を開始します。

CDOP について CDOPは、レジストリ・地域・活動タイプを越えて、カーボンクレジットおよびクレジット創出プロジェクトを記述するデータを標準化するため、(1) データ原則、(2) 共通データスキーマ、(3) ガバナンス枠組みを、オープンかつ多様なステークホルダーの参加のもとで策定する取り組みです。 World BankのCarbon Markets Infrastructure(CMI)WG、ICVCM、CAD Trust、ISO、UNFCCC(パリ協定第6条)等の既存の取り組みと整合・連携しながら、カーボンクレジットのライフサイクル全体をカバーする実用的なデータプロトコルの確立を目指しています。CDOPには50を超える組織が参画しており、共同議長はGCMU、RMI、S&P GlobalおよびSylveraが務めています。

公式参加者一覧には、Committee Members and Observersとして、Asian Gateway Corporation、AirCarbon Exchange、CAD Trust、CIX、ENGIE、IETA、Verra、South Pole等のグローバルな主要プレイヤーが掲載されています。本リリース公表時点のCDOP公式参加者一覧および各団体の公表情報を当社が確認した範囲では、AG以外に、日本に本社を置く企業または公表情報上明確な日系企業は確認されていません。AGの参画は、日本企業として初のCDOPコミッティ参画となります。

現状のカーボンクレジット市場が抱える課題 カーボン市場が成熟した「投資可能な資産クラス」へと発展するうえで、以下の課題が障壁となっています。 - データの分断・非標準化:レジストリごとにデータ項目が整合しておらず、異なるレジストリのプロジェクトを比較するには、その都度、個別の「翻訳」作業が必要となる。 - 相互運用性の欠如:あるレジストリで発行されたクレジットを別のレジストリで追跡できず、トレーサビリティと透明性が損なわれる。 - インテグリティ担保の難しさ:追加性(Additionality)・永続性(Permanence)の検証や、ITMO(国際的に移転される緩和成果)における相当調整(Corresponding Adjustment)による二重計上防止が、十分に機能していないケースがある。 - 透明性の不足:既存のデータモデルは発行後(post-issuance)・公開データが中心で、発行前(pre-issuance)・デジタルMRV(dMRV)・非公開データを詳細にカバーするプロトコルが不足している。 - 流動性・ファンジビリティ(代替可能性)の制約:上記の結果としてクレジットの比較可能性が低く、機関投資家の本格参入と市場のスケールが阻まれている。

AG の取り組み① ── 高インテグリティなクレジットの創出・販売 AGは、10年以上にわたるJCM(二国間クレジット制度)事業の知見を基盤として、以下のクレジットの創出・販売を推進します。 - コンプライアンスクレジット:パリ協定第6条2項に基づき、ホスト国承認・初回移転・相当調整の対象となるITMO(JCMの下で発行・承認されるクレジットを含む) - ボランタリークレジット:ICVCMがCCP適格と認めたクレジットプログラムの下で、CCP承認済みのクレジットカテゴリーおよび対象方法論・バージョンから発行される、CCPラベルの付与対象となるクレジット

AGは、これらのクレジットに関するデータを CDOPの共通データスキーマおよびCAD Trustのデータモデルと整合させ、追加性、削減・除去量の算定根拠、該当する場合の永続性、第三者検証、ホスト国承認、移転および償却等の情報を、検証・追跡可能な形で管理します。 パリ協定第6条2項に基づくITMOについては、ホスト国承認・初回移転・相当調整を管理し、ボランタリークレジットについては、発行・所有・移転・償却を追跡することにより、二重発行・二重使用・二重主張の防止に取り組みます。

AGは、排出削減と炭素除去の双方のプロジェクトを推進しています。 - 排出削減プロジェクト:太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、再生可能エネルギー併設型・出力抑制電力回収型蓄電池、CBG(圧縮バイオガス)、WtE(廃棄物発電)、AWD(水田の間断かんがい)等 - 炭素除去プロジェクト:バイオ炭(バイオチャー)、大気由来またはバイオジェニックCO₂の回収と恒久的な固定・貯留 等

AG の取り組み② ── GX-ETS/VCM における課題解決 AGは、JCM/Jクレジットを軸に、2026年度から本格稼働する日本の排出量取引制度 「GX−ETS」 と、ボランタリーカーボン市場(VCM) の双方で事業を展開します。 CDOPコミッティメンバーとして、データ標準化・相互運用性をめぐる国際的な議論に日本市場の実務知見を反映させるとともに、国内クレジットと国際クレジットの整合・接続を進め、上述の市場課題の解決に取り組みます。

AG の取り組み③ ── CFP 可視化と自社開発プラットフォーム「GIPP」 AGは、CDOPおよびCAD Trustとのデータ整合に加え、GHGプロトコルの改定動向を踏まえ、製品カーボンフットプリント(CFP)の可視化にも取り組みます。

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:提携
  • 関連組織:World Bank / ICVCM / CAD Trust
  • 製品・サービス:Carbon Gateway / JCM(二国間クレジット制度)