コンゴ民主共和国東部でエボラ出血熱の感染が拡大していることを受け、現地を訪れたユニセフ(国連児童基金)の公衆衛生上の緊急事態対応を率いるダグラス・ノーブルは、ジュネーブで行われた国連の定例記者会見において、以下の発言を行いました。

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私はコンゴ民主共和国イツリ州のブニアから戻ったばかりです。そこで目にした光景は、脳裏から離れません。

まず突き付けられるのは、この地域の深刻な状況です。コンゴ民主共和国東部では、数十年にわたる紛争が続いています。多くの子どもと家族が避難を強いられ、病院や診療所では物資の不足が頻繁に起こっています。人々は、暴力から逃れ、鉱山ルートを使い、支援を求めて絶えず移動を続けています。そのため、感染状況の監視や対応がとりわけ難しくなっています。

そして、子どもたちの置かれている状況は厳しいものです。イツリ州では、5歳未満の子どもの半数以上が慢性的な栄養不良に陥っています。5人1人以上がワクチンを一度も接種したことのない「未接種(ゼロドーズ)」の子どもです。つまり、ジフテリア、破傷風、百日咳の基礎的な三種混合ワクチンの初回接種を受けていないということです。これは、保健医療へのアクセスが限られていることの表れです。こうした子どもたちは、以前から極めて脆弱な状態に置かれている子どもたちです。

さらなる負担に耐える余力は、すでに限界に近い状態でした。その矢先にエボラが発生したのです。

この地域でこれまでに起きたエボラ出血熱の集団感染を見れば、子どもたちにどのような影響が及ぶかは明らかです。子どもは感染者の中でもかなりの割合を占めますが、死亡数ではさらにその割合が高く、特に幼い子どもほど命を落とすリスクが高くなっています。また、多くの子どもが孤児となるか、あるいは親や養育者と離ればなれになってきました。

先日、集団感染の中心地であるイツリ州ブニアのルワンパラ病院を訪問した際、保健医療従事者から、人々が恐怖のあまり定期的な診療に来なくなっていると聞きました。しかし、受診を控えるようになると、子どもたちは予防接種を受け損ね、病気にかかっても適切な治療を受けられなくなり、その結果、感染はしていないのに、子どもたちの命は集団感染の間接的な影響によって奪われていくのです。

6月11日現在、コンゴ民主共和国では確定症例が676件、およびそのうち136人の死亡が報告されています。これまでの症例の多くは、社会・経済的に活動的な成人に集中していますが、集団感染の拡大に伴い、家庭内感染の増加に備える必要があります。つまり、今後、より多くの子どもが感染する可能性があるということです。

子どもの初期症状、すなわち、発熱、下痢、嘔吐、倦怠感、食欲不振は、イツリ州でよく見られるマラリアなど、ほかの疾病と見分けがつきにくいものです。そのため、エボラ感染が疑われるまでに、命を左右しかねない貴重な時間が失われてしまう可能性があります。

今回のエボラウイルスである「ブンディブギョ株」については、承認されたワクチンや特定の治療法はなく、対症療法に頼るしかありません。つまり、備えの強化、感染予防・管理の徹底、およびコミュニティの理解と信頼の構築こそが、最前線での対応の要となります。

そして、その信頼の構築は簡単にできるものではありません。最近、ユニセフがコンゴ民主共和国の若者5万人を対象に実施したユーレポート(U-report)調査によると、3人2人がエボラの感染経路や予防手段を知らず、約5人1人はこの感染症の存在そのものを疑っており、ほぼ3人1人が回復した患者を再び自身のコミュニティに受け入れることに反対していました。

ある病院にいた際、近くの避難民キャンプに遺体があるが、コミュニティはまだ引き渡しに応じる準備ができていないと聞かされました。保健専門家とコミュニティとの間で対話は進んでいましたが、共通の理解と信頼を築くことがいかに重要かあらためて思い知らされました。だからこそユニセフはパートナーと連携しながら、コミュニティの共通の理解と信頼の構築に取り組んでいます。

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  • 出典:PR TIMES
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