環状糖と結合する新たな輸送タンパク質を発見~環状β-1,2-グルカンに適したユニークな基質認識の解明~
東京理科大学と新潟大学の研究チームは、細菌の病原性や共生に関わる糖鎖「β-1,2-グルカン」を細胞内に取り込む新たな輸送タンパク質「Chy400_4166」を世界で初めて発見した。X線結晶構造解析により、このタンパク質が環状糖の結合に適した独自の構造を持つことを解明。環状糖の医療・食品分野への応用研究を加速させる重要な成果として、国際学術誌「FEBS Journal」に掲載された。
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- 📰 発表: 2026年5月29日 10:00
- 🔍 収集: 2026年6月1日 02:31(発表から64時間31分後)
- 🤖 AI分析完了: 2026年6月1日 21:40(収集から19時間8分後)
【研究の要旨とポイント】環状糖は、ほかの分子を内側に取り込める性質があることから、その特徴を活かした医療応用が期待されています。今回、環状および直鎖状の糖鎖β-1,2-グルカンに結合し、細胞に取り込みうる新たな糖輸送タンパク質を発見しました。構造解析の結果、この糖輸送タンパク質では、湾曲した基質がその中央部分で結合しており、環状糖の結合に適していることが示唆されました。環状糖の医薬品・食品分野への応用研究に向けた基盤となる成果です。【研究の概要】東京理科大学 創域理工学部 生命生物科学科の中島 将博准教授、同大学 理学部第一部 応用化学科の鳥越 秀峰教授、新潟大学 農学部 農学科の中井 博之准教授らの研究チームは、グルコースが特殊な結合様式でつながった糖鎖であるβ-1,2-グルカンを細胞内へ取り込みうる新しい糖輸送タンパク質を世界で初めて発見しました。β-1,2-グルカンは細菌の病原性や共生など多様な生命現象に関わる糖鎖です。特に環状構造をとる環状β-1,2-グルカンは、包摂化合物としての応用も期待されています。これまで、中島准教授らはこの糖鎖に注目し、分解酵素に関する知見を積み上げてきましたが、細胞内へとβ-1,2-グルカンを取り込む輸送の仕組みについてはほとんど解明されていませんでした。本研究グループは、最も高温に適応し、光合成の進化の理解に重要とされる糸状光合成細菌の一種であるChloroflexus aurantiacusのゲノムの探索から候補となるタンパク質(Chy400_4166)を特定し、機能解析およびX線結晶構造解析を行いました。解析の結果、Chy400_4166は環状および直鎖状のβ-1,2-グルカンに高い親和性で結合すること、既知のβ-1,2-グルコオリゴ糖輸送タンパク質とは根本的に異なる新しい結合機構を持つことが明らかになりました。今回の発見は、β-1,2-グルカンの輸送システムの解明や、細菌の病原性・共生メカニズムの理解に資するだけではなく、環状糖の生体内でのふるまいを理解するうえでの基礎的な知見であり、将来的には医学応用の基盤となることが期待されます。本研究成果は、2026年5月10日に国際学術誌「FEBS Journal」にオンライン掲載されました。
よくある質問
今回発見されたタンパク質の名称は何ですか?
Chy400_4166という名称のタンパク質です。
この研究の主な意義は何ですか?
環状糖の生体内での動態解明や、将来的な医薬品・食品分野への応用研究の基盤となる点です。
どの細菌からこのタンパク質が特定されましたか?
糸状光合成細菌の一種であるChloroflexus aurantiacusから特定されました。
従来の輸送タンパク質と何が異なりますか?
従来のタンパク質が糖鎖の末端を認識するのに対し、Chy400_4166は糖鎖の中間部を認識し、環状構造に適した結合部位を持つ点が異なります。
この成果はどこに掲載されましたか?
国際学術誌「FEBS Journal」に2026年5月10日付でオンライン掲載されました。