中国税関の最新データによると、2026年の上半期における中国の輸出入貿易構造に大きな変化が生じた。集積回路(チップ)が正式に自動車やスマートフォンを上回り、中国の輸出額最大の商品カテゴリーとなった。
データによると、2026年上半期のチップ累計輸出額は1,772.8億ドル(約1.2兆元人民元)に達し、前年同期比96.1%の大幅な増加を記録し、過去最高を更新した。
AIブームとメモリ価格上昇が主な原動力
今回の輸出急増の主因は、人工知能(AI)インフラ建設の世界的なブームが、関連半導体需要を直接牽引していることにある。特に、メモリチップが輸出を牽引する主力であり、上半期の輸出総額の約60~70%を占めている。AIによる高帯域メモリ(HBM)需要の高まりを受けて、DRAMおよびNANDフラッシュメモリの価格が持続的に上昇しており、輸出額の伸び率は数量の伸びを大きく上回っている。
市場構成においては、中国国内に工場を持つサムスン(西安工場)やSKハイニクス(無錫工場)が大量の輸出に貢献しているほか、中国本土企業も強力な追い上げを見せている。長鑫存儲は世界のDRAM市場で8%のシェアを獲得し、世界第4位に躍進。長江存儲はNANDフラッシュメモリ分野で13%のシェアを占め、マイクロン、サンディスクと並んで世界第4位に位置している。
成熟製程の受託生産と封止テスト需要が爆発
ウエハ受託生産(ファウンドリ)分野では、TSMCやサムスンが先端製程に生産能力を集中させているため、世界的な成熟製程の受注が中芯国際(現在は世界第3位のファウンドリ)や華虹半導体に集中している。
さらに、中国はパッケージング・テスト(OSAT)市場でも重要な地位を占めており、長電科技(世界第3位)、通富微電、華天科技が先端パッケージング技術の展開を加速しており、チップ加工後の輸出価値をさらに押し上げている。
技術封鎖を打破し、自立的な突破を実現
2026年6月単月のチップ輸出額は382.1億ドルに達し、総輸出額に占める割合は約10%に迫り、安定して最大の輸出品目となった。
中国メディアは、この実績が海外の技術封鎖が逆に中国半導体産業の自立化を促進していることを示していると分析。中国の国産化率が向上するにつれ、かつての「他者に依存する」というレッテルが徐々に薄れつつあるとしている。
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:PR Times
- 分類:調査
- 製品・サービス:積体回路(チップ) / DRAM