『ミッドナイトシャトル渋谷・三鷹』実証レポートを公開 タクシーのシェア乗りで1運行当り乗車人数が約4割向上、深夜タクシー需要も創出
深夜タクシー相乗りで乗車人数4割向上、新たな需要創出。
📋 記事の処理履歴
- 📰 発表: 2026年4月2日 20:00
- 🔍 収集: 2026年4月2日 14:01
- 🤖 AI分析完了: 2026年4月21日 06:19(収集から448時間18分後)
移動に関する社会課題の解決に取り組むソーシャルデザインカンパニー、株式会社NearMe(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙原幸一郎、以下「ニアミー」)は、国土交通省が事業実施主体である地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS」(コモンズ)において受託開発を行った“リアルタイム相乗りマッチングシステム”を活用した『ミッドナイトシャトル渋谷』『ミッドナイトシャトル三鷹』の運行を実施いたしました。本運行では、深夜帯におけるタクシー需給ミスマッチの解消や移動利便性の向上に向け、リアルタイム相乗りマッチングの有効性について検証を行いました。その実証結果を取りまとめたレポートを公開しましたのでお知らせいたします。なお、レポートの詳細は「COMmmmONS」のウェブサイト上(https://www.mlit.go.jp/commmmons/tech_report/?page=2)でご覧いただくことができます。
※本レポートは国土交通省から委託を受け、ニアミーが作成したものです。

実証結果(アンケート調査結果)
今回の実証では、リアルタイム相乗りマッチングシステムの導入により、輸送効率の向上や新たなタクシー需要の創出など、ユーザー価値・公共価値・ビジネス価値の各観点で効果が確認されました。
タクシーの1運行当り乗車人数が約4割向上
実証期間中の運行データより、タクシーの1運行当たりの乗車人数は1.7人(三鷹は1.8人、渋谷は1.6人)となりました。これは、三鷹・渋谷エリアのタクシーの平均乗車人数1.3人※と比較すると、三鷹での運行においては約4割向上しました。この結果から、目的地の近い利用者同士が同乗する“シェア乗り”の需要があり、リアルタイム相乗りマッチングが、深夜帯の移動需要の受け皿として機能することが示されました。
※ニアミー調べ:令和3年3月平均乗車人数(東京23区/武蔵野市/三鷹市エリア)をもとに設定

■全体の約8割、渋谷では約9割が「ミッドナイトシャトルがあったため深夜にタクシーを利用」と回答
ユーザー全体の約82%が「本サービスがあったため深夜にタクシーを利用した」と回答しました。特に、夜間需要が集中する駅周辺・繁華街を中心に運行する渋谷エリアでは93%に上るなど、本取り組みが新たなタクシー需要の創出につながっている可能性が示されました。

■約8割が「終電を気にせず飲食店に滞在したい」と回答、深夜帯の移動需要拡大の可能性
「本サービスがあれば終電や終バス時間を気にせず飲食店に長く滞在したい」と回答した利用者は、三鷹駅で約70%、渋谷駅で約83%、利用者全体では78%にのぼりました。深夜帯の移動手段が確保されることで、飲食店利用など行動範囲の拡大につながる可能性が示され、ナイトタイムエコノミーの活性化への寄与も期待される結果となりました。

■タクシー料金の軽減を約98%が実感、おトクで利便性の高い移動手段として高い評価
ユーザー体験の観点では、シェア乗りでの運行により通常のタクシーよりもおトクな価格で乗車できる点や、事前予約によりタクシー待ちの行列に並ぶ必要がない点、始発まで待たずに帰宅できる点などが利用者から高く評価されました。特に、タクシー料金の軽減については「非常に感じた/やや感じた」と回答した利用者が98%にのぼりました。


<調査概要>
調査期間:渋谷エリア/2025年11月1日~2026年1月31日、三鷹エリア/2025年10月31日~2026年1月31日(金・土)
調査人数:渋谷エリア(n=20)、三鷹エリア(n=30)
調査方法:乗車ユーザーへのアンケート調査
リアルタイム相乗りマッチングシステムの今後の展開
今回の実証では、リアルタイム相乗りマッチングシステムの導入により、タクシー輸送効率の向上や高い利用者満足度、新たなタクシー需要の創出など、複数の観点で効果が確認されました。特に、相乗り運行により1台当たりの乗車人数が増加し、既存のタクシー車両をより効率的に活用できる可能性が示されました。
また、アンケート調査では、多くの利用者が「本サービスがあったため深夜にタクシーを利用した」と回答しており、これまで移動手段が限られていた深夜帯において新たな移動需要を創出する可能性が示されました。さらに、「終電や終バス時間を気にせず飲食店に長く滞在したい」と回答した利用者も多く、深夜帯の移動手段の確保がナイトタイムエコノミーの活性化につながる可能性も示唆されています。
今後は、まず単一の駅周辺においてサービスモデルを確立し、鉄道会社や地域のタクシー事業者、自治体などと連携しながら、終電・終バス後の移動需要を確実に取り込む運用を進めていきます。その上で、駅到着後のラストワンマイル移動を担うサービスとして、同様の需要構造を持つ周辺駅や沿線へ段階的に展開し、持続可能なサービス拡大を目指します。
また、本実証で構築したリアルタイム相乗りマッチングの仕組みは、終電後の移動に限らず、イベント開催時や公共交通の遅延・運休時など都市部で発生する一時的な需要集中への対応にも応用可能です。今後は公共交通を補完する新しい移動手段としての活用も視野に入れながら、AIやデータ活用による機能改善を進め、タクシーのシェア乗りサービスの実装に向けた取り組みを進めていきます。
地域交通 DX 推進プロジェクト「COMmmmONS(コモンズ)」について

地域交通の領域では、MaaSアプリや配車アプリなど、デジタル技術を活用したモビリティサービスの普及が進む一方、業務モデルやシステムが独自に構築されてきた結果、それぞれのサービスやデータが連携していない「サイロ化」の課題が生じています。
「交通空白」解消に向け交通サービスの品質や生産性の向上が喫緊の課題となる中、「サイロ化」を打破し、連携・協働を軸とした地域交通のDXを体系的に推進するための新たなアプローチが必要です。
地域交通DX推進プロジェクト「コモンズ(COMmmmONS: Code for Mobility Common Society)」は、サービス、データ、マネジメント、ビジネスプロセスの4つの柱でデジタル技術を活用した課題解決のベストプラクティス創出と標準化を一体的に推進し、その横展開を図ることで、社会の共通財産となる技術的アセットを生み出す新たな取り組みです。
■Webサイト
「リアルタイム相乗りタクシーマッチングシステム開発プロジェクト」について
近年、インバウンドの回復や観光需要の拡大に伴い、国内における移動需要は全体として増加傾向にあります。政府においても観光産業は地域経済を支える重要な分野として位置付けられており、今後も国内外からの人流のさらなる増加が見込まれています。
一方で、タクシー業界ではドライバー数の減少や高齢化の進行により人手不足が顕在化しています。特にコロナ禍を契機として離職が進んだ影響もあり、供給力の回復は十分に進んでおらず、都市部や観光地を中心にピーク時間帯において需要に供給が追いつかない状況が各地で発生しています。
都市部においては、仕事や会食、イベントなどを終えた後の「終電以降の“あと一駅分”の移動」や、深夜帯に公共交通が途切れる自宅までの移動など、深夜帯の移動ニーズが根強く存在しています。一方で、タクシー供給は限られており、終電後の駅前でタクシー待ちの長い行列が発生するなど、慢性的な需給ミスマッチが生じています。
本プロジェクトでは既存のタクシー資源を最大限活用しながら輸送効率を高める仕組みとして、「リアルタイム相乗りマッチングシステム」の有効性を渋谷・三鷹で検証しました。渋谷エリアでは、夜間需要が集中する駅周辺・繁華街を中心に運行することで、タクシー不足や混雑による移動ストレスの軽減を目的としました。また三鷹エリアでは、JR三鷹駅を起点とした住宅地への帰宅需要に対応し、終電後でもスムーズに帰宅できる移動手段の提供を目的としています。

|
ミッドナイトシャトル渋谷 |
ミッドナイトシャトル三鷹 |
|
|
実証目的 |
深夜帯における都市部のタクシー需給ミスマッチの解消可能性を検証 |
郊外住宅地における終電後の帰宅需要への対応可能性を検証 |
|
実施エリア |
渋谷駅周辺(約1km圏内) |
JR三鷹駅南口周辺 |
|
運行エリア |
東京23区など広域 |