第4回建築AI経営研究会は東京八重洲で開催された。初めてオンラインとの同時開催が実施され約150人が参加した。

株式会社LIFEFUND(静岡県浜松市、代表取締役:白都卓磨)は、2026年6月2日(火)、工務店経営者向け勉強会「第4回建築AI経営研究会」を東京会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、総勢150名が参加しました。

当日は、LIFEFUNDが社内で進めるAIエージェント活用、EXCEED GROUPによる粗利管理データの横断分析事例、図面を使ったAI積算ワークショップなどを実施。参加者アンケートでは総合満足度4.21/5、白都代表の第1講座では4.65/5を記録しました(回答者数n=63)。 本研究会では、AIを単なるツール利用で終わらせず、工務店の経営判断、現場業務、データ活用にどう組み込むかを、実践事例として共有しています。

業界で問われる「AIをどう使うか」から「業務にどう組み込むか」への転換

建築業界では、人手不足と業務の属人化が深刻化する一方で、生成AIの活用はまだ一部にとどまっています。

帝国データバンクが2026年4月9日に発表した「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」によると、2025年度の人手不足倒産は441件で過去最多となり、建設業は112件、全体の25.4%を占めました。 引用元:https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260409-laborshortage-br25fy/

また、ANDPADが2026年2月12日に発表した「建設業界のAI活用実態を独自調査」では、建設業従事者2,000名のうち、普段の業務でAIを活用している割合は34.8%、一方で「活用予定なし」は47.3%でした(調査時期: 2025年12月)。 引用元:https://andpad.jp/news/20260212

AIを使う重要性は広く認識されつつありますが、建築会社経営の現場では「どの業務に、どの順番で、どこまでAIを任せるのか」が大きな課題です。 第4回建築AI経営研究会では、この課題に対し、AIを単発のツールとして使うのではなく、社内データ、業務ルール、人間の承認プロセスと接続し、会社の中で業務を分担する仕組みとして活用する方法を共有しました。

第一講座:AIエージェント経営のロードマップと工務AI化の具体戦略

第1講座の基調講演にて白都卓磨氏(株式会社LIFEFUND代表取締役)が伝えたのは、AIを「ツールとして使う段階はすでに終わった」という経営メッセージでした。

LIFEFUNDは静岡県浜松市を拠点に注文住宅・リフォーム・不動産・AI教育事業を展開。年商27.1億円・年間115棟。全社員でのAI学習を3年継続し、売上1.6倍・社員1.3倍の成長と実質賃金4%アップ(※年間休日数110日120日)を実現しています。

主戦場はAIエージェントへ

ChatGPT・Claude・Geminiなど個々のツールを使い分ける「単体ツールの時代」から、基盤AIプラットフォームとAgentを軸に「AIを面で働かせる時代」へ。白都氏はAI活用の成熟度を5段階で整理しました。

AI経営5段階のイメージ Level 1:個人利用(ChatGPTなどを個人が使い始める) Level 2:部署導入 Level 3:全社標準化(社員全員がAIを日常業務で活用) Level 4:独自データ統合——自社情報をAIに読ませる Level 5:AIエージェント協働——AIチームと仕事を進める

コンテキストとは何か

白都氏が定義する「コンテキスト」とは、「人間は知っているが、AIはまだ知らない会社固有の情報」のことです。過去の失敗と成功の理由、現場での判断のコツ、協力業者との関係性、価格交渉の履歴感覚、暗黙のルールや慣習——これらを体系化してAIに渡すことで、AIは実務で使える存在になります。

「コンテキストがないAIは、IQは高いが会社を知らない新人です。コンテキストが入るほど、AIは業務フロー・判断基準・過去経緯を理解したベテランに近づいていく」(白都卓磨)

白都卓磨氏のAI経営OS——「これ対応して」でAIチームが動き出す

当日はLIFEFUNDで実際に稼働している「AI経営OS」をライブで実演。Chatworkで「これ対応して」と送るだけで、経営統括AgentがCodex×Claudeにタスクを渡し、見積Agent・工程管理Agent・顧客対応Agent・分析Agentといった専門Agentチームが自律的に動き出す仕組みが公開されました。

「会社には複数体のAIエージェントがいる。それぞれ担当業務があり、毎日動いている」(白都卓磨)

工務を117タスクに分解——工務AI化の具体的ロードマップ

講座の後半、白都氏はAI経営OSの話を工務の現場に落とし込みました。LIFEFUNDでは工務業務を工程順に棚卸しした結果、117タスクにまで分解。難易度別(K-1: 43件・K-2: 41件・K-3: 33件)に分類し、AI化の優先順位と人間判断が必要な業務を明確にしています。また、工務AIの進め方は5段階のロードマップ(①分解 → ②小さく効率化 → ③読ませる → ④任せる → ⑤改善)でも示されました。

【経営者にとっての示唆】 工務AI化は「コスト削減」ではなく、人を増やさずに棟数を増やせる経営の武器です。「AIで何ができるか」からツール選びに入ると止まる。業務フローを分解し、AIに読ませるコンテキストを作ることが出発点——この発想の転換が、今の建設経営者に最も必要な視点です。

【一般の方にとっての示唆】 工務担当者が「現場管理ではなく事務処理」に費やしていた時間が、AIによって解放されつつあります。「監督が現場に集中できる」体制が整うことは、施工品質と現場の安全につながります。

第2講座:140件のデータ×AI分析で見えた収益構造

第2講座は、山形県の株式会社EXCEED GROUP代表取締役・富樫宜信氏が登壇しました。同社は5年累計成長率で山形県内ナンバー1、2025年度は県内資本会社の着工数ナンバー1を達成した急成長企業です。蓄積された案件データをAIで横断的に分析した実践プロセスを公開しました。

140件のデータをAIで横断分析——見えてきた3つの傾向

140件の案件データをAIで横断分析すると、56件約40%)で計画利益との乖離が確認されました。データを紐解くと、3つの構造的傾向が浮かび上がりました。

①承認フローを経ない発注:現場の判断で行われた発注が積み重なっていた ②発注経路の分散:案件ごとに発注経路が統一されておらず、全体最適

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:PR TIMES
  • 分類:イベント
  • 関連組織:EXCEED GROUP / 帝国データバンク / ANDPAD