室温で波長1.55~3μmまで見える赤外光センサーを開発 家庭・医療・環境・食品産業など生活に近い場面への展開に期待
名古屋大学、NEC、産総研は共同で、室温で1.55μmから3μm帯までの赤外光を検出できる小型GeSnセンサーを開発した。冷却不要で製造コストも抑えられるため、ガス検知やヘルスケアなど多方面への普及が期待される。
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- 📰 発表: 2026年5月20日 18:00
- 🔍 収集: 2026年5月20日 09:31
- 🤖 AI分析完了: 2026年5月27日 09:33(収集から168時間1分後)
【本研究のポイント】
・近〜中波赤外域で高い透過性と導電性を両立する電極と、赤外線を効率よく吸収する半導体材料を組み合わせることで、これまで室温では困難だった3μm(マイクロメートル)帯までの赤外光を検出可能な小型センサーを試作した。
・Ge(ゲルマニウム)基板上に、Sn固溶限界を超える13.6%のSnを含有した高品質p型GeSn層の結晶成長に成功し、波長3μm帯の感度を実現した。
・本小型センサー(フォトダイオード)は、一つの素子で通信波長(1.55μm付近)から3μm付近までの赤外光を検出でき、ガス検知だけでなく、環境モニタリング、ヘルスケア(呼気分析)、食品・医薬品の品質管理、産業プロセス監視、赤外イメージング、さらにはセキュリティ用分光センシングなど、幅広い用途への展開が期待できる。
【研究概要】
名古屋大学大学院工学研究科の中塚 理 教授、柴山 茂久 助教らの研究グループと日本電気株式会社(NEC)の田中 朋 博士らは、産業技術総合研究所(産総研)・先端半導体研究センターの前田 辰郎 博士、Rahmat Hadi Saputro(ラハマト ハディ サプトロ)博士らとの共同研究で、Si集積回路プロセス技術と相性の良いゲルマニウム錫(GeSn)/ゲルマニウム(Ge)接合赤外センサーを新たに開発しました。
近〜中波赤外域で高い透過性と導電性を両立するiTCO(infrared-transparent conductive oxide)電極と赤外光を効率よく吸収するGeSn材料を組み合わせることで、室温で3μm帯までの赤外光を検出可能な小型センサーを試作しました。名古屋大学で開発した低温MBE法により、Ge基板上にSnの平衡固溶限界を超える13.6%の高Sn組成p型GeSn混晶層の高品質なエピタキシャル成長に成功し、3μm帯の感度を持つ狭ギャップ半導体薄膜を実現しました。産総研で試作、検証したiTCO/p型GeSn/n型Geフォトダイオードの特性評価からは、一つの素子で通信波長(1.55μm付近)から3μm付近までをカバーできることが実証されました。
本研究成果は、2026年5月20日(現地時間)に国際会議Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO)において講演発表されます。
【研究背景と内容】
3μm付近の“中赤外”と呼ばれる光は、メタンなどの温室効果ガスや、呼気に含まれる分子、食品や薬の品質の違いなどを見分けられる、分子ごとの特徴(=分子の指紋)を読み取れる領域の光です。これまで、この領域を高感度で計測するセンサーは冷却が必要で、大型かつ高価なものが主流であり、普及の障壁となっていました。従来のInGaAs半導体センサーでは、~1.67μmが主力で、先端の拡張型InGaAsでも~2.6μmが上限です。そのため、2.6~3.3μmの“すき間”を室温で埋めることができる小型・低コストの技術が求められていました。
今回の研究で開発したデバイスは、
①室温で動作可能
②一般的な半導体プロセスにより制作可能(=量産に向いている)
という大きな特長があります。これにより、これまで困難だった家庭、医療、環境、食品産業など、生活に近い場面へ“中赤外センシング”を広く普及するための基盤が構築されます。
・近〜中波赤外域で高い透過性と導電性を両立する電極と、赤外線を効率よく吸収する半導体材料を組み合わせることで、これまで室温では困難だった3μm(マイクロメートル)帯までの赤外光を検出可能な小型センサーを試作した。
・Ge(ゲルマニウム)基板上に、Sn固溶限界を超える13.6%のSnを含有した高品質p型GeSn層の結晶成長に成功し、波長3μm帯の感度を実現した。
・本小型センサー(フォトダイオード)は、一つの素子で通信波長(1.55μm付近)から3μm付近までの赤外光を検出でき、ガス検知だけでなく、環境モニタリング、ヘルスケア(呼気分析)、食品・医薬品の品質管理、産業プロセス監視、赤外イメージング、さらにはセキュリティ用分光センシングなど、幅広い用途への展開が期待できる。
【研究概要】
名古屋大学大学院工学研究科の中塚 理 教授、柴山 茂久 助教らの研究グループと日本電気株式会社(NEC)の田中 朋 博士らは、産業技術総合研究所(産総研)・先端半導体研究センターの前田 辰郎 博士、Rahmat Hadi Saputro(ラハマト ハディ サプトロ)博士らとの共同研究で、Si集積回路プロセス技術と相性の良いゲルマニウム錫(GeSn)/ゲルマニウム(Ge)接合赤外センサーを新たに開発しました。
近〜中波赤外域で高い透過性と導電性を両立するiTCO(infrared-transparent conductive oxide)電極と赤外光を効率よく吸収するGeSn材料を組み合わせることで、室温で3μm帯までの赤外光を検出可能な小型センサーを試作しました。名古屋大学で開発した低温MBE法により、Ge基板上にSnの平衡固溶限界を超える13.6%の高Sn組成p型GeSn混晶層の高品質なエピタキシャル成長に成功し、3μm帯の感度を持つ狭ギャップ半導体薄膜を実現しました。産総研で試作、検証したiTCO/p型GeSn/n型Geフォトダイオードの特性評価からは、一つの素子で通信波長(1.55μm付近)から3μm付近までをカバーできることが実証されました。
本研究成果は、2026年5月20日(現地時間)に国際会議Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO)において講演発表されます。
【研究背景と内容】
3μm付近の“中赤外”と呼ばれる光は、メタンなどの温室効果ガスや、呼気に含まれる分子、食品や薬の品質の違いなどを見分けられる、分子ごとの特徴(=分子の指紋)を読み取れる領域の光です。これまで、この領域を高感度で計測するセンサーは冷却が必要で、大型かつ高価なものが主流であり、普及の障壁となっていました。従来のInGaAs半導体センサーでは、~1.67μmが主力で、先端の拡張型InGaAsでも~2.6μmが上限です。そのため、2.6~3.3μmの“すき間”を室温で埋めることができる小型・低コストの技術が求められていました。
今回の研究で開発したデバイスは、
①室温で動作可能
②一般的な半導体プロセスにより制作可能(=量産に向いている)
という大きな特長があります。これにより、これまで困難だった家庭、医療、環境、食品産業など、生活に近い場面へ“中赤外センシング”を広く普及するための基盤が構築されます。
よくある質問
今回開発された赤外光センサーの最大の特徴は何ですか?
室温で動作可能であり、かつ一つの素子で通信波長(1.55μm)から中赤外域(3μm付近)までの幅広い波長を検出できる点です。従来のセンサーで必要だった冷却装置が不要なため、小型・低コスト化が可能です。
この技術にはどのような材料が使用されていますか?
シリコン集積回路プロセスと相性の良いゲルマニウム錫(GeSn)とゲルマニウム(Ge)の接合材料、および赤外光を透過しつつ導電性を持つiTCO(infrared-transparent conductive oxide)電極が使用されています。
3μm帯の赤外光を検知できると、どのような利点がありますか?
3μm付近は「分子の指紋」と呼ばれる領域で、メタンなどの温室効果ガスや、呼気に含まれる分子、食品・医薬品の品質の違いを識別できるため、環境モニタリングやヘルスケアへの応用が期待できます。
これまでのセンサー技術との違いは何ですか?
主流のInGaAsセンサーは検出波長が〜2.6μmまでが上限でしたが、本技術は2.6〜3.3μmの「すき間」を室温で埋めることができます。また、一般的な半導体プロセスで製造可能なため、量産にも向いています。
この研究成果はいつ、どこで発表されますか?
2026年5月20日(現地時間)に開催される国際会議「Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO)」において講演発表されます。