国際交流基金(JF)は、2027年5月8日から同年11月21日にかけて、イタリア・ヴェネチアにて開催される「第20回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」の日本館展示を主催します。このたび、展覧会概要が決定しましたので、お知らせいたします。
記
第20回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館展示 概要
タイトル: MONSOON COMMONALITY
主催/コミッショナー:国際交流基金
キュレーター: 金野 千恵(建築家/t e c o 代表取締役)
出展作家: 黄 聲遠(建築家/⽥中央聯合建築師事務所 主宰)
水 雁飛(建築家/Yanfei Architects主宰)
西澤 俊理(建築家/NISHIZAWAARCHITECTS、滋賀県⽴⼤学 准教授)
環境編集: 菅 健太郎(環境編集、建築家/Arup、京都⼯芸繊維⼤学 特任准教授)
公式ウェブサイト: https://venezia-biennale-japan.jpf.go.jp/ (以上、敬称略)
© t e c o
第20回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 全体概要
会期: 2027年5月8日(土)~11月21日(日)
会場: ジャルディーニ地区(Giardini)、アルセナーレ地区(Arsenale)、
他ヴェネチア市内各所
総合ディレクター:Wang Shu、Lu Wenyu
総合テーマ: Do Architecture — For the Possibility of Coexistence Facing a Real Reality
公式ウェブサイト:https://www.labiennale.org/en
金野 千恵 Chie Konno
建築家、t e c o 代表
1981年神奈川県相模原市生まれ。2005年東京⼯業⼤学卒業、2005-06年スイス連邦⼯科⼤学 奨学生、2011年東京⼯業⼤学⼤学院博士課程修了 博士(⼯学)。2011年KONNO設⽴ののち2015年t e c o設⽴。2021-26年京都⼯芸繊維⼤学 特任教授。2024年スイス連邦⼯科⼤学 客員教員など。
住宅や福祉施設、公共施設などの建築設計とともに地域リサーチ、まちづくり、アートインスタレーションまでを手がけ、仕組みや制度を横断する環境づくりを試みている。
主な作品に『春日台センターセンター』(2023年日本建築学会賞 (作品) 他)、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2016日本館
©yasuyukitakagi
展示『en(縁):art of nexus』会場構成(t e c oとして参加。展示は特別表彰を受賞)、『向陽ロッジアハウス』(2013年 平成24年東京建築士会住宅建築賞金賞 他)。
主な著書に『ロッジア 世界の半屋外空間 暇も集いも愉しむ場』(2025,学芸出版社)。
公式サイト https://teco.studio/
キュレーター・ステートメント
あらゆる人間が寛容に受け入れられる環境を思考する。
近代の論理から解き放たれ、都市から周縁へ、機械のコントロールから自然の知性へ、西洋のロジ
ックから自らが生きる東洋のロジックへ――わたしたちはいま、静かな転換のただなかにいる。この
転換は暮らしを再定義する契機であり、地域に身を置き、目を凝らし、耳を澄ませるといった経験が
糸口となる。風土に根ざす術を見つめ直すとき、人は、社会の一部であると同時に自然の一部でもあ
ると認識できるだろう。
わたしたちはモンスーン・アジアに生きている。
この地域は季節風の影響を受け、夏は海から陸へ湿った風が吹き込み高温多湿の雨季となり、冬は
陸から海へ乾いた風が吹く乾季となる。降水量は多いものの急峻な地形が多く、一人あたりの水資源
は西欧に比べて少ない。こうした条件のもとで、水を貯留・利用・循環させ、稲作を基盤とした相互
扶助の仕組みが築かれてきた。また、水害などの天変地異には完全に抗うのではなく、それをしなや
かに受け入れながら、地域の風景を形成してきた。
こうした風土で培われてきた営為を、モンスーン・アジアのコモナリティと呼んでみたい。
地形への領域づくり、水の扱い、食文化、リズム、生命を循環の一部と捉える死生観に至るまで。
これらは、風土を生き抜くために共同して築かれてきた関係性であり、地域のなかで反復、定着され
てきた環境づくりの術である。例えば、風土的特徴を共有するモンスーン・アジアに着目すること
で、同時代における暮らしづくりへの実験的な取り組みがみえてくる。地続きでなくとも、風土を通
してわたしたちはどこかで繋がっている。
ともに生きる場の構築。
風土に根差したコモナリティを隣人とともに考え、その体験をヴェネチア・ビエンナーレ日本館で
提示したい。こうした場の構築はモンスーン・アジアにとどまらず、共通性を見出しながらともに明
日を生きる建築の可能性を示す。
黄 聲遠 Huang Sheng-Yuan (ホァン・シェンユェン)
建築家、⽥中央聯合建築師事務所 主宰
1963年台北市生まれ。東海⼤学(台中市)卒業後、イェール⼤学⼤学院にて建築学修士号を取得。1993年に宜蘭に拠点を定め、⽥中央聯合建築師事務所を徐々に築き上げる。2015年、展覧会『Living in Place』を開催。2018年、第16回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の台湾館において、『Living with Sky, Water and Mountain: Making Places in Yilan』を展示。2021年、第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展に招かれ、作品を展示。2026年には、『輕輕地走回地球表面』を出版。同書では土地、気候、身体感覚、そして日常生活へと⽴ち返る建築的思考を提示し、環境、人々、時間、さらには星空とのあいだに、謙虚で繊細な関係をいかに育むか問いかけている。
公式サイト:http://www.fieldoffice-architects.com/
撮影:⽥中央⼯作群
水 雁飛 Shui Yanfei(シュイ・イェンフェイ)
建築家、Yanfei Architects 主宰
1981年重慶市生まれ。中国の1980年代生まれを代表する独⽴系建築家の一人として広く知られている。2012年に雁飛建築事務所「Yanfei Architects」を設⽴し、急速な社会変容を遂げる中国を背景に、社会との協働のあり方を探求する実践を続けている。地域リサーチ、実験的インスタレーション、コミュニティとの協働、現場での施⼯など多岐にわたる活動を通じて、日常生活に新たな可能性をもたらす建築の創出に取り組んでいる。その作品は数多くの賞に輝いており、2018年には「AIA Shangha
FACT BOX ・ 要点整理
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