(中央社記者 林宏翰 洛杉磯17日專電)アメリカ戦争部は昨日、『印太司令部』を旧称の『太平洋司令部』に戻すと発表した。公式では任務や管轄区域に変更はないとしているが、『印太』(Indo-Pacific)は米国が近年、インドや同盟国と連携して中国の地域的影響力に対抗するための戦略的用語として用いてきたものであり、名称変更の背景には注目が集まっている。
太平洋司令部(U.S. Pacific Command)は1947年に設立され、ハワイに本部を置く。米軍の中で最も歴史が長く、規模も大きい統合作戦司令部の一つであり、管轄区域は地球の半分、38カ国に及ぶ。米国西海岸沖から西へ太平洋を越え、インドの西部国境までをカバーしている。
2018年5月30日、トランプ政権下で、当時の国防長官マティス(James Mattis)氏がハワイ・真珠湾で、『太平洋司令部』を『印太司令部』(U.S. Indo-Pacific Command)に改称すると発表した。
当時、彼はこれは『インド洋と太平洋の間のつながりがますます緊密になっている』ことを反映したものであり、米国の戦略的視野が『西へ焦点を合わせている』と説明した。
ロイター通信は当時、この名称変更が五角大廈におけるインドの重要性の高まりを強調していると解説した。米国の公式戦略文書でも『印太』は政策の枠組みとして位置づけられ、同盟国との協力や地域の安全保障競争を、インド洋から米国西海岸までを含む広範な地域で展開している。
最も顕著な例が『クアッド』(四方安全対話)であり、これは米国、日本、インド、オーストラリアの4カ国が構築した地域協力プラットフォームである。2021年にバイデン政権が発足して以降、クアッドは首脳会議に格上げされ、4カ国の首脳が『自由で開かれたインド太平洋』(free and open Indo-Pacific)の推進を宣言した。
バイデン政権の2022年『印太戦略』でも、インドの継続的な台頭と地域的リーダーシップの役割を支援すると明記しており、クアッドを重要な地域協力の枠組みと位置づけている。
『印太』という用語は、当時の米国のアジア戦略を反映している。一方では、インド洋と太平洋をつながった安全保障空間と捉え、インドの戦略的役割を重視するものであり、他方では、中国が南シナ海やインド洋、『一帯一路』を通じて影響力を拡大していることに対し、『自由で開かれたインド太平洋』という形で軍事的・経済的圧力への対応を示す政策的言語でもあった。
トランプ政権は2017年に『国家安全保障戦略』を発表し、中国が印太地域で米国に代わろうとしていると指摘。マティス長官が2018年に名称変更を発表した際も、『印太地域は、いかなる国の略奪的経済や強圧的脅威にも縛られるべきではない』と述べており、これは中国の『一帯一路』を念頭に置いた発言だった。
台湾海峡に関する議題も、米国の『印太』政策の文脈で頻繁に言及される。近年、米軍艦や軍用機が台湾海峡を通過する際、米軍は関連行動が国際法に合致しており、『自由で開かれたインド太平洋』への米国の約束を示していると強調している。
米国戦争部は16日、ハワイで『印太司令部』が『米国太平洋司令部』に名称を戻すと発表した。公式の理由は『歴史的伝統の尊重』である。
戦争部は、太平洋司令部への名称変更は、この司令部が持つ『深い歴史的ルーツ』への敬意を示すものであり、第二次世界大戦後の地域安全保障体制、朝鮮戦争、ベトナム戦争、人道支援活動における役割を称えるものだと説明している。
公式には名称変更が作戦責任区域や任務の変更を意味するものではないと強調しており、管轄区域は変わらず、米国西海岸沖からインド西部国境までを維持する。司令部の基本的任務や、地域の同盟国・パートナーと協力して自由で開かれた地域を維持するという約束も変わらないとしている。
2018年の名称変更当時、『印太』にはインド洋と太平洋の連携、インドの役割の強調、中国の地域的影響力への対応という戦略的意味が込められていた。今回、旧称に戻すことで、公式には任務や管轄区域に変更はないとしているが、米国のアジア戦略における言語的調整が行われたのではないかと、外部からは注目されている。(編集:唐佩君)1150618
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- 出典:中央社 CNA
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