中央社報道
(中央社記者 盧太城 台東県17日電)蘭嶼のダトゥー族が20人乗りの伝統拼板舟「黄金友誼号」を建造し、15日に親族探しの旅に出発。蘭嶼からフィリピンのバタン島へと向かい、300年前の海上古道を再現した。黒潮に逆らって航行中、船体が深刻な浸水を起こし、一時はフィリピン船に曳航される事態となったが、16日夕方、無事に到着した。
フィリピン・バタン諸島最北端のヤミ島(マブディス島)は、蘭嶼から約100キロメートルの距離にある。蘭嶼の口承歴史では、祖先がバタン島から黒潮に沿って蘭嶼に移住し、交易や結婚を通じて交流を深めてきた。しかし、歴史的な誤解により300年前に交流が途絶えた。それでも、現在でも両者の言語の約60%が通じ合うほど文化的なつながりが残っている。
台湾の行政院原住民族委員会と財団法人原住民族文化事業基金会、そして蘭嶼の6つのダトゥー族(ヤミ族)の部落が協力して「黄金友誼号」を建造。15日、蘭嶼を出発し、黒潮に逆らって祖先の航路を再現。16日夕方、バタン島に無事到着した。
原住民族文化事業基金会の会長であり、航海に同行したマラオス氏は、中央社にメッセージで語った。出発直後、小蘭嶼西側2キロで強い南西風と波に遭遇し、進行が妨げられた。船体の浸水も深刻で、曳航の可否が検討されたが、参加者たちの熱意により続行が決定された。
しかし、バシー海峡でバタン島最北の島に近づいた際、さらに強い南西の巨浪と7級の突風に見舞われ、4メートルの波が襲来。曳航中だった「黄金友誼号」は船体の8割が水没するほど浸水した。人的被害はなかったが、船の損傷を防ぐため、安定した曳航が選択された。
曳航一晩後、16日午前10時、フィリピン海上保安庁の巡視船が「黄金友誼号」をマハタオ港へ緊急曳航。排水と点検の後、大きな破損はなく、補強作業を経て、第2隊が漕いで入港した。
最後は漁人部落の漕ぎ手たちが推進し、岸には300人以上のバタン住民が集結。熱狂的な歓迎を受け、現地の雰囲気は沸騰した。夜には「蘭嶼の親族」の帰還を祝う夕食会が開かれ、交流が深められた。
同行した族人らは、歓迎夕食の味が蘭嶼のものと90%同じだと語った。言語だけでなく、食文化も非常に似ており、「先祖が同じ血筋から来ている」という口承の歴史が現実に感じられたという。
マラオス氏によると、「黄金友誼号」はバタン島で半年間展示され、その後、バタン側が自ら航海して蘭嶼へ戻り、来年の交流につなげる予定だ。(編集:張雅淨)1150617
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