紡織メーカーの冠星-KYは2025年、業績の底這いから脱却し、年間売上高が70.02億台湾元に達し、前年比29.2%の増収となった。親会社帰属当期純利益は2.94億台湾元で、2024年3.47倍に急増。1株当たり純利益(EPS)は7.73元となり、本日の株主総会で1株当たり4元の現金配当が承認された。

2026年も好調が続く。第1四半期の親会社帰属純利益は9871万台湾元で、前年同期比26.4%増。単四半期EPSは2.59元となった。

冠星の林錦茂会長は、現在アメリカ、カナダ、メキシコで開催中のFIFAワールドカップがスポーツブランドの市場熱を高めており、同社の主要顧客であるアディダス(Adidas)とプーマ(Puma)の需要拡大につながっていると説明。この2社の売上構成比は合計で40%を超え、2025年の業績を牽引する見込みだ。

また、冠星はアメリカのアパレル大手GAPグループと15年以上の取引実績があり、信頼関係と納期品質が確立されている。現在、冠星はGAPグループの短繊維生地最大のサプライヤーであり、2025年第1四半期の売上構成比は34%に達し、業績のもう一つの柱となっている。

2024年は業績が低迷し、1株当たり純利益は1.73元にとどまった。これは2019年の上場以来、5年連続で1株当たり1元以上の利益を計上していた水準から大きく後退した。林会長は、2024年が同社設立以来最も厳しい1年だったとし、その主因はベトナム新工場の立ち上げ直後で規模の経済が達成できていなかったためと説明した。

しかし、一定期間の調整を経て、ベトナム工場は今や冠星にとっての負担から強みへと転じた。林会長は、グローバルサプライチェーンの断片化というトレンドの中、冠星はベトナムとカンボジアに自社工場を整備。ベトナム工場の月間平均生産能力は200万ポンドに達しており、今後も増産を続ける予定だと述べた。現地生産による迅速な対応力で、物流コストと納期リスクを低減できるとしている。

さらに、冠星は高品質な綿混紡ニット生地に長期にわたり注力しており、単なる生地サプライヤーから一歩進み、下流のアパレル製造まで手掛ける垂直統合型の「ワンストップ衣料ソリューションプロバイダー」へと転換している。これにより、付加価値と競争のハードルを高めていく方針だ。(編集:張均懋)

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:財務結果
  • 関連組織:Adidas / Puma / GAP