2026年のFIFAワールドカップをめぐる注目のニュースです。
中央社報道(ストックホルム、記者・辜泳秝、15日配信)
北欧の強豪国であるデンマークが今大会のワールドカップ出場を逃しました。これを受けて、テレビ番組の司会者でコメディアンでもあるマルティン・ヨハンネス・ラーセン(Martin Johannes Larsen)氏がSNS上で自虐的な動画を投稿し、「デンマークは今大会、『世界一の応援団』になる」と宣言。北欧各国に「600万人のデンマーク国民の応援を勝ち取ってほしい」と呼びかけました。このユーモアあふれる発言が、ノルウェーとスウェーデンでまったく異なる反応を呼び、北欧諸国の歴史的愛憎関係が浮き彫りになりました。
デンマークは1992年の欧州選手権で優勝を果たした実績を持ち、北欧では長年にわたり国際ランキングで最も高い位置を維持してきました。しかし今大会の予選ではスコットランドに敗れ、プレーオフでもチェコに敗退。ワールドカップ出場を逃す結果となりました。
こうした中、TV2のラーセン氏は各国語で録音された動画をSNSに投稿。デンマーク国民が「どの国を応援するか」を国民投票で決めるとし、スウェーデン、ノルウェー、フランス、スペインなど出場を決めた国々に「なぜデンマークが自分たちを応援すべきか」という理由をTV2宛てに送るよう呼びかけました。まるで「応援権」を競わせるような演出で、ネット上で話題となりました。
スウェーデンではこの動画に対する反応は限定的でした。多くの国民は「デンマークが応援するかどうか」にあまり関心を示さず、スウェーデン公共放送(SVT)も1週間後にようやく報道する程度でした。取材を受けたスウェーデン人の一人は「スウェーデンには本物の食べ物とビールがあり、サッカーも強い。だからデンマークは当然、スウェーデンを応援すべきだ」と冗談交じりに話していました。
一方、ノルウェーではこの動画が「大反響」を呼びました。ノルウェーTV2はすぐに有名なコメディアン、ハラルド・アイア(Harald Eia)氏を起用。ノルウェーの伝統衣装を着て、ノルウェー王宮と両国の国旗の前で動画を撮影しました。彼は「かつてノルウェーを植民地支配していたデンマークが、今や応援を求めてくるとは」と皮肉を交え、「過去にノルウェーを『山のサル』と呼び、あらゆる面で馬鹿にしてきたデンマークが、今や肩を並べて応援したいと頼んでくるとは、これはまた新たなジョークなのか?」と風刺しました。
さらにアイア氏は、「デンマークはスコットランドやベラルーシにボロボロにされたが、ノルウェーは過去の因縁を捨ててデンマークを受け入れる」と宣言。デンマークの兄弟姉妹を「ヴァイキング長船に招待し、アメリカへ、英霊殿(Valhalla)へと航海しよう」と呼びかけました。
この一連のやり取りを理解するには、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの歴史的関係を知る必要があります。スウェーデンとデンマークは中世から19世紀まで、約700年間にわたり「常時戦争状態」とも言える対立を続けてきました。貿易航路や北欧の覇権を巡って激しく争ったのです。
一方、ノルウェーは1524年から1814年までデンマークの支配下にあり、その後1814年から1905年まではスウェーデンと連合を組んでいました。つまり、二大国の狭間で独立を求めてきた小国という位置づけです。
こうした歴史的背景が、今回の「応援団争奪戦」に色濃く反映されています。
最終的にラーセン氏は、デンマーク国民の投票結果を発表。600万人のデンマーク国民が選んだ「最強応援団」の応援先はノルウェーであると明かしました。その理由として「地理的・歴史的つながり」と「スウェーデンに勝つのが好きなこと」を挙げました。
これに対し、ノルウェー駐在のデンマーク大使はSNSで「デンマークの参加を歓迎する。ノルウェーは決してデンマークをがっかりさせない」と返信。ノルウェーの士気を高める発言をしました。
さらにデンマーク外相ラース・勒ーケ・ラスムセン(Lars Lokke Rasmussen)も動画で反応。「ノルウェーのW杯出場おめでとう。デンマークも一緒にワールドカップを体験できる。応援する」と述べ、最後にはノルウェー式の「ヴァイキング・パドル応援」を行い、「Ro!Ro!」(ノルウェー語で「漕げ!漕げ!」)と叫んで支持を表明しました。
一方、デンマークTV2とデンマーク放送協会(DR)が実施した「どの国を応援すべきか」のネット投票では、スウェーデンはわずか6位にとどまりました。(編集:陳慧萍)1150615
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