アメリカの宇宙テクノロジー企業SpaceXが12日に上場し、中国のネットユーザーの間で大きな注目を集めた。中国共産党の公式メディアは13日、中国の航空宇宙専門家へのインタビューを掲載し、「中国はSpaceXを必要とせず、また模倣することも不可能だ」と述べた。この発言は議論を呼び、一部の中国ネットユーザーは官媒の姿勢を「冷やし」だと批判し、「中国はワールドカップにも必要ないし、不可能だ」と皮肉った。

中国共産党北京市委の機関紙『北京日報』傘下の微信公式アカウント「長安街知事」は13日、「中国はSpaceXを必要とせず、模倣することも不可能だ」と題する記事を掲載。北京航空航天大学の沈映春教授へのインタビュー形式で、以下の問いを提示した。「アメリカの資本市場がなぜSpaceXにこれほど高い評価を与えるのか?」「米中間の商業宇宙分野の差はどれほどか?」「中国が最も焦るべきこと、最も心配する必要のないこととは?」「中国がSpaceXの成功を模倣する必要はあるのか?」「中国の独自の強みとは何か?」

沈映春教授は、過去10年間で中国の商業宇宙産業が「海外が数十年かけて進んだ道を完遂し、世界第2位に安定している」と主張した。しかし、将来的にリードするためには、コスト削減、効率化、商業エコシステム、そして「国際的な発言力」の向上が不可欠だと指摘した。

一方で、米中間の商業宇宙分野における構造的な差は明らかだと認め、特に打ち上げ能力とコスト管理の点で差があると述べた。中国宇宙産業の最大の課題は「星は多いが、ロケットが少ない(星多箭少)」状況であり、「再使用可能なロケット」技術や下流の商業応用もまだ成熟していないと語った。

沈教授は、中国モデルの強みは強力な工業製造力と、「政府が舞台を用意し、企業が主役を演じる」という体制にあると説明。また、国家の意志によって資源を集中し、インフラ、標準化、リスク分散を体系的に解決できる規模のメリットもあるとした。一方、アメリカモデルの強みは市場メカニズムによる効率性にあり、企業や機関の革新とコスト削減を促進すると分析した。

彼は、中国モデルとアメリカモデルは「どちらが進んでいるか」ではなく、「どちらが適しているか」の問題だと強調。発展の道筋から見て、「中国はSpaceXを必要とせず、また模倣することも不可能だ」と断言した。

しかし、沈教授は「逆転のチャンス」があるとも述べた。中国が将来的に構築する「空・地・天一体化ネットワーク」は、スマートシティ、低空経済、災害対応などに大規模に応用され、海外のシステムが提供できない「独自のシナリオ」になると主張した。

この記事に対して、中国のネットユーザーの反応は分かれた。一部は「宇宙技術は国家が握っていた方が良い。民間企業は手を出すべきではない」「資本の弊害はまだ足りないのか」と支持を示したが、「そうだ、必要ない」という声もあった。しかし、すぐに反論が上がり、「それなら中国はワールドカップにも必要ないし、不可能だ」「土壌が違うのだから、どうやって模倣できるのか?」と皮肉った。

また、「いつになったら他人より優れていることを正々堂々と認められるのか、それこそが希望だ」「酸っぱい言い訳も過剰な称賛もやめ、差を認めるのは恥ではない」との声も。一方で、「この記事は酸っぱい。要するに自分たちでは作れないから」「ムードを冷ますための記事だ」「模倣できないのは認めるが、本当に必要ないのか?」と批判する意見も出た。

さらに、「中国の環境では、本当にイーロン・マスクのような超資本家が現れたら、もっと罵倒されるだろう」との指摘も。「中国にはSpaceXのようなチーム精神、大胆な仮説、大胆な実験が必要だ」と訴える声もあった。(編集:邱国强/張芷瑄)

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:ニュース
  • 関連組織:SpaceX
  • 製品・サービス:可再使用ロケット / スターリンク