近年、中国の不動産市場はマイナス成長が続いており、一・二線都市と三・四線都市の間で「K型分化」が進行している。経済学者の陸挺氏は、人工知能(AI)の発展がこの格差をさらに悪化させると警告している。
経済観察報によると、野村中国の首席経済学者である陸挺氏は11日、メディアとの会合で、AIがマクロ経済に与える影響について説明した。
世界的にAIは経済の「K型分化」を促進しており、資本を持つ者や特殊な才能を持つ従業員の収入は増える一方、中低レベルのホワイトカラー職の多くが代替の危機にさらされている。しかし、中国はすでに5年間にわたり不動産市場の低迷が続いており、AIの進展はこうした都市間の発展格差をさらに悪化させると陸挺氏は指摘する。
中国の不動産開発投資は2022年に前年比プラス成長からマイナスに転じ、以降、継続的にマイナス成長が続いている。ここ数か月では、上海や杭州などの都市で不動産価格の下落が止まり、回復の兆しが見られつつある。
陸挺氏は、近年の不動産市場のマイナス成長により、三・四線都市以下の地域では価格下落がより顕著であるため、これらの地域に住宅を所有する中低所得層や農民工が価格下落の影響をより強く受けると説明した。また、各大都市が次々と購入制限や売却制限を撤廃する中で、人的資源や富が一・二線都市に集中しており、都市間の発展格差がさらに広がっていると指摘した。
さらに、AIの発展は「北京・上海・深セン・杭州」などのごく限られた都市に集中しており、AI大規模モデルや半導体設計・製造などの分野は参入障壁が非常に高いため、今後も二・三線都市以下への波及は難しいと陸挺氏は述べた。これに対して、電気自動車やリチウム電池、太陽光パネルといった「新三様」は、福建省寧徳市や江蘇省常州市など、複数の地方都市の成長を後押ししたが、AIの恩恵はそうした波及効果を持たないと分析している。
彼は、AIによってもたらされる市場の繁栄が、二・三線都市以下に「波」のように広がることは難しく、むしろ中小都市の中低レベルホワイトカラー職を代替する可能性があると警告した。
「K型分化」の進行は、中国が今最も重視している内需拡大にも悪影響を及ぼす。陸挺氏は、富や収入が一部の人々や都市に集中する状況では、内需をさらに押し上げることは困難になると指摘した。
K型経済がもたらす負の影響に対処するため、陸挺氏は政府がAIの過熱を警戒し、楽観的な見方に陥らないよう慎重な姿勢を保つべきだと提言した。地方都市が地域特性に応じたAIを発展させ、低線都市もAIの恩恵を享受できるように支援する必要があると訴えた。
また、政府は社会保障制度をさらに整備し、不動産市場の下落とAIによる雇用代替がもたらす雇用圧力を緩和すべきだとした。特に自動運転など、ブルーカラー職に大きな衝撃を与える技術の導入ペースについては、適度に緩やかにするべきだと提案している。(編集:呂佳蓉)
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- 出典:中央社 CNA
- 分類:調査
- 製品・サービス:AI大規模モデル