(中央社 ワシントン9日 侯姿瑩記者)中国公務船が先日、日本とフィリピンの協議を口実に台湾東部海域に侵入した事件を受け、米国務省は9日、北京に対し台湾への圧力を停止するよう求めた。米専門家は、近年中国による台湾への灰色地帯での脅迫行動が激増しており、台湾の社会のレジリエンスを弱体化させる意図があると指摘。これは北京が現在から2028年の台湾総統選挙までに達成しようとする核心的な目標であると分析している。

今回、中国公務船は日本とフィリピンの排他的経済水域(EEZ)協議を口実に、海警船や海事船を使って台湾東部海域に侵入。台湾海巡署は、事前に艦艇を配備し、全行程にわたって併走監視していたと説明した。

海巡署は台北時間9日、中国の公務船5隻がすでに台湾海域から離脱したが、その間に航行中の商船3隻に対して、入出港情報などを偽装して管轄権を主張する無線照会を行ったと発表。海巡艦艇は即座に「中国は国際法に違反している。このような嫌がらせは無視せよ」と厳正に応答した。

米国務省の報道官は9日午後、電子メールで中央社記者の質問に背景説明として回答。米国は条約上の同盟国である日本とフィリピンを支持し、北京に対しては紛争を平和的に解決し、脅迫や武力に訴えないよう奨励すると述べた。

報道官は「我々はまた、北京に対し、台湾に対する軍事・外交・経済的压力を停止し、台湾の民主的に選出された指導部と意味のある対話を行うよう求める」と述べた。

さらに、ワシントンのシンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」の上級研究員クレイグ・シングルトン氏はインタビューで、中国は戦争の閾値に達しない灰色地帯での脅迫行動に依存し、「台湾を制限し孤立させる手段」とするとの見解を示した。

同氏は、中国が「封鎖」のような国際法的な意味を持つ言葉を使う可能性は低く、「行政執行」などの灰色地帯の論述でその本質を覆い隠そうとするだろうと分析。その行動は台湾とその政治指導部を標的とし、明らかに安定を破壊する意図があると指摘した。

米国による地域内の中国の灰色地帯での脅迫行動の抑止について、元米国外交官でもあるシングルトン氏は「さらなる対策が必要だ」と述べた。

同氏は、過去数年間で中国の灰色地帯での脅迫が「顕著に激増」していると指摘。台湾の空域・海域への侵入だけでなく、台湾内部へのサイバー攻撃も含まれ、偽情報の拡散や重要インフラへの破壊活動も行われていると述べた。

シングルトン氏は、これらの手段の目的は台湾の社会のレジリエンスを弱体化させることにあると分析。「これこそが、中国が現在から2028年の台湾次期総統選挙までの核心的な目標だと考える」と述べた。(編集:唐声揚)1150610

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  • 出典:中央社 CNA
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