(中央社ワシントン7日総合外電)米国が先週発表した力強い雇用統計を受け、市場の利上げ観測が強まった。これを受け、トランプ大統領は連邦準備理事会(FRB)の新議長であるケビン・ウォッシュ氏に対し、彼が初めて金利決定会合を主催する前に利下げを要求した。
フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、トランプ大統領は7日に放送されたインタビューで、投資家はFRBが年末までに利上げすると予想しているが、国全体が「即座の利上げによって罰せられるべきではない」と述べた。
トランプ大統領はNBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、「利上げする理由は全くない。我々が成長できているのは、好調なパフォーマンスと低金利のおかげだ。彼らが利上げするたびに、経済の成果を台無しにしようとしている。私は成功が台無しにされるのを望まない。実際には利下げすべきだ」と語った。
ウォッシュ氏は16日から17日にかけて、初めて連邦公開市場委員会(FOMC)を主催する予定である。
トランプ大統領は、現在3.5%から3.75%の範囲にあるFRBの政策金利を、1%以下にまで大幅に引き下げるべきだと主張している。また、前任のパウエル議長を「愚か者」「バカ」と繰り返し批判し、利下げのタイミングが遅すぎると述べている。
今月5日、米国労働統計局(BLS)が発表した5月の非農業部門雇用統計は、2025年の混乱を経て労働市場が安定しつつあることを示し、FRBがイラン戦争に起因するインフレに対応するために利上げを発表する可能性があるとの市場予想をさらに強めた。
トランプ大統領は番組で、「我々のパフォーマンスは素晴らしいが、好調な時に彼らは利上げしたがる。これは非常に不公平だ。実際には逆であるべきだ」と強調した。
ウォッシュ氏も過去に低金利を支持する姿勢を示していた。しかし、中東紛争の勃発がインフレを押し上げ、一部のFOMCメンバーは利上げの可能性について議論し始めている。
クリーブランド連邦準備銀行総裁でFOMCメンバーでもあるベス・ハマック氏は5日、「最近のトレンドが続けば、すぐに行動を起こす必要が出てくるかもしれない」と述べた。彼女は最新の雇用統計が労働市場を「おおむね均衡」させていると評価する一方で、「高インフレこそがより大きな懸念事項である」と指摘した。
イランが戦争開始時にホルムズ海峡を封鎖して以来、燃料価格の上昇が米国経済を圧迫しており、4月のインフレ率は3.8%に上昇し、3年ぶりの高水準となった。ブルームバーグがエコノミストを対象に実施した調査では、10日に発表される5月の消費者物価指数(CPI)がさらに4.2%まで上昇する可能性があると予想されている。
しかし、トランプ大統領は、新たなFRB議長には独立した政策決定を望んでいるとも述べ、「ウォッシュ氏は良い人物だ。彼には自分の考えで決断してほしい。私は彼にあまり影響を与えたくない。しかし私の見解では、国が好調な時に即座の利上げで罰せられるべきではなく、むしろ奨励されるべきだ」と語った。(編集:シーシー)1150608
FACT BOX ・ 要点整理
- 出典:中央社 CNA
- 分類:ニュース
- 関連組織:フィナンシャル・タイムズ / NBC / ブルームバーグ
- 原文内の日付:7日(インタビュー放送日) / 16日から17日(FOMC会合)