(中央社 東京5日 電)日本の奈良公園で、観光客が鹿に乗ろうとしたとみられる事件が発生した。女性が鹿の背中に座る様子を捉えた動画がSNSで拡散され、ネットユーザーから批判が相次いでいる。奈良県は当該動画を把握しているとし、映像だけでは直ちに違法と断定するのは難しいとしながらも、関連行為は「非常に不適切」と強調した。

J-CAST NEWSの報道によると、ネットで拡散された動画には、肩紐付きのノースリーブワンピースに細いヒールの靴を履いた女性が、鹿の背中に座ろうとする様子が映っている。鹿は体を動かしたり頭を振ったりして、嫌がる様子を見せている。また、男性がそばで携帯電話で撮影している様子も確認できる。

撮影時期は不明だが、この動画は6月からSNSのXで広く拡散され、ネットユーザーからは「これは動物虐待だ」「本当に腹が立つ」「神聖な鹿に乗るな」などの批判の声が上がっている。

「奈良の鹿」として知られる野生の鹿群は、国の天然記念物に指定されており、「文化財保護法」の保護下にある。奈良県では過去に観光客が鹿を蹴る事件が発生したことを受け、2025年4月から規制をさらに強化している。

「奈良県立都市公園条例施行規則」では、天然記念物「奈良の鹿」に対する加害行為を禁止している。加害行為とは、「正当な理由なく、鹿に身体的外傷を与える可能性のある暴行、またはその他のこれに類する行為」と定義されている。

奈良県奈良公園室の担当者は、県は動画の内容を把握しているとし、動画の行為が条例で禁止する「加害行為」に当たるかどうかは、具体的な状況を踏まえて判断する必要があり、映像だけでは「直ちに加害行為と断定するのは難しい」と述べた。しかし、動画の内容が事実であれば、「間違いなく非常に不適切な行為だ」と強調した。

担当者は、女性に鹿を傷つける意図があったかどうかは不明としながらも、「こうした行為が動物に危害を加える可能性があることを、人々はより十分に理解すべきだ」と述べた。

また、鹿との直接の接触自体にリスクがあると注意を促し、鹿にぶつかられたり蹴られたりする可能性に加え、マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染するリスクもあると指摘した。

担当者は「私たちは啓発活動を通じて、鹿との直接の接触を避けるよう呼びかけている。撫でることはもちろん、鹿の背中に座ろうとする行為は不適切だ」と述べ、今後もパトロールと啓発活動を継続し、奈良の鹿と観光客の安全確保に努めるとしている。(編集:陳承功)1150605

FACT BOX ・ 要点整理

  • 出典:中央社 CNA
  • 分類:事件
  • 関連組織:J-CAST NEWS