デンソーITLAB、米国「CVPR 2026」でモビリティの進化を促すAIの先端研究論文3本を発表

デンソーアイティーラボラトリ(ITLAB)の研究者らによる3本のAI論文が、国際会議「CVPR 2026」に採択されました。特に、エッジ環境でのAI推論を効率化する量子化手法「DASQ」は、車載SoCでの高精度・低消費電力動作を実現します。
イベントNQ 93/100出典:PR Times

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  • 📰 発表: 2026年5月29日 08:40
  • 🔍 収集: 2026年6月1日 02:20(発表から65時間40分後)
  • 🤖 AI分析完了: 2026年6月1日 22:35(収集から20時間15分後)
クルマとモビリティ社会全体の未来を見据え、「種」となる先端基礎研究を行う株式会社デンソーアイティーラボラトリ(本社:東京都港区 代表取締役社長:岩崎 弘利、以下ITLAB)の研究者らによる3本の論文が、2026年6月3日から7日まで米国コロラド州デンバーで開催される「IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition 2026(CVPR 2026)」に採択されました。

「CVPR」はコンピュータビジョンおよびパターン認識分野において国際的に権威のあるトップカンファレンスの一つで、今年度は16,092件の論文の中から4,090本の論文が採択され採択率は25.4%となっています。

今回採択された3本の論文は、それぞれデンソー、東京科学大学、九州大学の研究者との共同執筆論文であり、いずれも自動運転や先進運転支援システム(ADAS)をはじめとするモビリティ分野への応用が期待される研究成果です。既存手法の前提を見直し新たな手法を提案した独創性と、その有効性を実証した点などが高く評価されました。

デンソーグループ全体でみると、本リリース記載のITLABとの共同研究から出された3本に加え、米国現地法人であるDENSO International America, Inc. から1本が採択され、合計4本の論文がCVPR 2026にて発表されます。

## 採択された論文の概要

### 学習済みビジョンモデルに隠された対称性を用いた新しい量子化手法の提案

スマートフォンから車載システムまで、高精度なAIをハードウェアの限られた電力・計算資源の中で動かすニーズは急拡大しています。そのための技術が、AIモデルの内部パラメータを、高精度な浮動小数点数から少ないビット数の整数に変換する「量子化」です。メモリ使用量と計算量が削減できる一方、変換の過程で生じる量子化誤差によって認識精度が下がります。このトレードオフをどう解くかが長年の課題でした。

これに対し、ITLABとデンソーの共同研究チームは、学習済みビジョンモデルの重みを詳細に分析する中で、わずかな外れ値、例えば上位1%程度の外れ値を取り除くだけで残りの分布が0を中心にほぼ対称になることを発見しました。これは「外れ値を別に扱うことで、重みの大部分をハードウェア効率の高い対称量子化で表現できる」ことを意味します。本研究では、この「隠れた対称性」を出発点とした量子化手法「DASQ(Dense and Additive Sparse Quantization)」を提案しました。

DASQは重みを「対称な大多数の成分」と「外れ値の少数の成分」に分解して並列処理することで、従来手法が必要としてきたゼロ点オフセット(量子化の基準点をゼロからずらす値で、乗算器の回路面積を約1.3倍に増大させる)を不要にする設計を実現しました。FPGAへの実装評価でも、従来用いられてきたゼロ点オフセットを用いた量子化(AsymQ)と比べてより高い精度と低い消費電力を実証しています。

自動運転やADASでは、物体認識・歩行者検出などの高精度ビジョンモデルを消費電力に厳しい制約のある車載SoC上でリアルタイムに動作させる必要があります。DASQは、アルゴリズムからハードウェア実装までを見据えた設計により、車載SoCを含むエッジ端末での省電力かつ高精度なAI推論に貢献することが期待されます。

## ITLAB研究者コメント

### 森 政文(デンソーアイティーラボラトリ 研究開発グループ 客員研究員)

### 権業 慎也(Ph.D.)(デンソーアイティーラボラトリ 研究開発グループ リサーチャ)

CVPRでは、ビジョンモデルの重み分布に潜む「隠れた対称性」の発見、量子化手法DASQの提案、そして複数タスクとFPGA実装による検証という、発見・手法・実証の三拍子をそろえた点が評価されました。今後は、車載AIを含むエッジ端末で高性能なビジョンモデルの省電力な実装を可能にする取り組みを加速させます。

よくある質問

デンソーアイティーラボラトリがCVPR 2026で発表する論文の数はいくつですか?

デンソーアイティーラボラトリの研究者らによる3本の論文が採択されました。なお、デンソーグループ全体では計4本が採択されています。

提案された量子化手法「DASQ」の最大の特徴は何ですか?

「隠れた対称性」に着目し、重みを対称な成分と外れ値に分けて並列処理することで、従来の手法で必要だったゼロ点オフセットを不要にし、省電力かつ高精度な量子化を実現した点です。

CVPRとはどのような学会ですか?

コンピュータビジョンおよびパターン認識分野において、国際的に権威のあるトップカンファレンスの一つです。

DASQはどのような分野への応用が期待されていますか?

自動運転や先進運転支援システム(ADAS)など、消費電力に厳しい制約がある車載SoC上でリアルタイムに高精度なAI推論を行うモビリティ分野への応用が期待されています。

今回の論文採択率はどの程度でしたか?

CVPR 2026では16,092件の論文投稿の中から4,090本が採択され、採択率は25.4%となっています。