2026年6月17日、国立大学法人岡山大学は、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として、「超伝導」技術の最新動向を共有する「岡山大学J-PEAKSシナジーセッション 超伝導が拓く新しい量子の世界・グリーンエネルギー・ダークマター観測」を、6月8日に本学津島キャンパスの創立五十周年記念館で開催したと発表した。

「超伝導」とは、ある物質を非常に低い温度まで冷やしたときに、電気抵抗が完全にゼロになる現象であり、これにより無駄のないエネルギー輸送や、強力な磁場の形成などが可能となる。本シンポジウムは、100年の時を超え科学者を魅了してきた超伝導が未来社会にどのような革新をもたらすかを解説することを目的に開催され、当日は学内外の研究者や学生、企業関係者など100人を超える参加者が集まった。

オープニングでは那須保友学長が登壇し、本シンポジウムがJ-PEAKSの取り組みを通じて基礎科学の知見を社会実装や革新的な研究につなげる重要な機会であることを強調した。基調講演には九州大学大学院システム情報科学研究院長の木須隆暢主幹教授が登壇し、「フュージョンエネルギーの早期実現に向けた超伝導基盤技術の開発」について講演。JSTムーンショット型研究開発事業で進める核融合発電の鍵となる超伝導マグネット開発の現状と展望を解説した。

続いて、招待講演として九州大学大学院システム情報科学研究院の東川甲平教授が「超伝導電力技術が拓くカーボンニュートラル社会」と題し、実社会との具体的な結びつきを示した。

その後、岡山大学の研究者による5つの講演が行われた。植田浩史准教授、笠原成教授、安立裕人准教授、紀和利彦教授、安達俊介准教授が、高温超伝導のエネルギー・医療応用、エキゾチック超伝導、超伝導/磁性ナノ多層膜、超伝導量子干渉素子(SQUID)の生体応用、ダークマター観測など、多岐にわたる研究テーマを発表した。

本シンポジウムは、超伝導をテーマに研究者間の交流を深め、新たな連携のきっかけを生み出す場となった。岡山大学の強みである「植物・光エネルギー開発拠点」では、超伝導をエネルギー伝送材料などとして活用することを目指しており、今回の知見やネットワークを活かし、革新的な成果創出を進めていくとしている。

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