1型糖尿病の急性合併症に関する全国規模の調査を実施-治療中のケトアシドーシスや重症低血糖はなお残存-
Key facts
- 1型糖尿病の急性合併症に関する全国規模の調査を実施-治療中のケトアシドーシスや重症低血糖はなお残存-
- 日本糖尿病学会が実施した全国調査により、インスリン治療中の1型糖尿病患者でも、7.8%がケトアシドーシス、12.7%が重症低血糖を経験していることが明らかになった。これらの急性合併症は、自己のインスリン分泌能力が低い患者で頻度が高い傾向があった。この2019年のデータに基づく研究は、持続グルコースモニター等の先進的治療法の普及と、膵β細胞機能の温存を目指す治療開発の重要性を示唆している。
- Source: PR Times
- Date: 2026年5月27日
Direct answer
日本糖尿病学会が実施した全国調査により、インスリン治療中の1型糖尿病患者でも、7.8%がケトアシドーシス、12.7%が重症低血糖を経験していることが明らかになった。これらの急性合併症は、自己のインスリン分泌能力が低い患者で頻度が高い傾向があった。この2019年のデータに基づく研究は、持続グルコースモニター等の先進的治療法の普及と、膵β細胞機能の温存を目指す治療開発の重要性を示唆している。
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- 1型糖尿病の急性合併症に関する全国規模の調査を実施-治療中のケトアシドーシスや重症低血糖はなお残存- (2026年5月27日), PR Times
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- PR Times
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- 2026年5月27日
日本糖尿病学会が実施した全国調査により、インスリン治療中の1型糖尿病患者でも、7.8%がケトアシドーシス、12.7%が重症低血糖を経験していることが明らかになった。これらの急性合併症は、自己のインスリン分泌能力が低い患者で頻度が高い傾向があった。この2019年のデータに基づく研究は、持続グルコースモニター等の先進的治療法の普及と、膵β細胞機能の温存を目指す治療開発の重要性を示唆している。
📋 記事の処理履歴
- 📰 発表: 2026年5月27日 14:00
- 🔍 収集: 2026年6月1日 00:35(発表から106時間35分後)
- 🤖 AI分析完了: 2026年6月2日 08:21(収集から31時間45分後)
日本糖尿病学会「我が国における1 型糖尿病の実態の解析に基づく適正治療の開発に関する研究委員会」は、同委員会のレジストリー班において、1型糖尿病の急性合併症に関する全国規模の調査研究を実施しました【担当者:中條大輔委員(国際医療福祉大学)、レジストリー班長:今川彰久委員(大阪医科薬科大学)、委員長:島田朗委員(埼玉医科大学)】。
その結果、インスリン治療を受けている1型糖尿病患者の7.8%で治療中にケトアシドーシスを発症した経験があり、12.7%で他人の介助を要する重症低血糖を経験していたことが判明しました。さらに、これらの急性合併症を経験していた患者群では経験していない患者群に比べて、自身の膵臓からのインスリン分泌が有意に低下していることがわかりました。
2019年の通院データを用いて実施された本調査研究では、インスリン治療下においてもなお生命に影響しうる重症の急性合併症を起こす患者が一定割合いることが示されました。日本の1型糖尿病治療の現状を示す重要な知見であるとともに、調査時期以降にも進化が続いている血糖管理療法をより積極的に活用することの重要性も示唆されました。
本研究は、国際学術誌「Journal of Diabetes Investigation」(2026年4月8日付)に掲載されました。
背景
糖尿病のうち1型糖尿病[1]は主に自己免疫[2]によって膵臓のインスリン分泌細胞(膵β細胞)が減ってしまい、自身のインスリンが十分に分泌できなくなることによって起こる糖尿病で、生活習慣病とは一線を画す病態です。原則的にインスリン治療が必要になりますが、様々なインスリン製剤の登場や投与法の進化にも関わらず、生命に影響しうる急性合併症を併発することがあります。これは1型糖尿病治療における重大な課題であり、これまでその発症率や発症と関連する因子などを全国規模で調査したことはありませんでした。
日本糖尿病学会(JDS)は、2019年に「我が国における1型糖尿病の実態の解析に基づく適正治療の開発に関する研究員会」(委員長:島田朗)を設置し、種々のデータベースを用いて我が国における1型糖尿病診療の実態を解明し、その結果から導き出される対応策を検討しています。今回発表した調査研究は、同委員会事業のひとつとして実施されたものです。
研究手法と成果
対象
本研究では、2019年11〜12月に全国125の医療機関を受診した1型糖尿病患者4,405例が登録され、このうち急性発症1型糖尿病、緩徐進行1型糖尿病、劇症1型糖尿病のいずれかに明確に分類された2,679例が解析対象となりました。対象者の平均年齢は50.0歳、男性は42.0%でした。
方法
電子データ収集システムを用いて、参加医療機関より患者背景、1型糖尿病の病型、発症年齢、インスリン治療期間、HbA1c値、自己インスリン分泌能の指標である空腹時血清Cペプチド値[3]、膵島関連自己抗体[4]、糖尿病性ケトーシス/ケトアシドーシス[5]の既往、重症低血糖[6]の既往、インスリン治療の内容、持続グルコースモニターから得られる血糖管理指標などを収集しました。次に、収集されたデータを用いて、ケトアシドーシスや重症低血糖などの急性合併症を経験した患者の割合や、急性合併症の発症に影響を与えうる臨床的因子について解析しました。
主な結果
1型糖尿病発症時には、糖尿病性ケトーシスを53.1%、糖尿病性ケトアシドーシスを33.0%が併発していました。さらには、インスリン治療開始後においても、18.8%の患者がケトーシスを、7.8%の患者がケトアシドーシスを経験していました。これらの発症後合併症は、直近HbA1cの高値、長期のインスリン治療、直近Cペプチド値の低値、と関連していました。
また、重症低血糖は12.7%、過去1年以内では4.1%、無自覚性低血糖は28.9%に認められ、いずれも長期のインスリン治療、直近Cペプチド値の低値、持続グルコースモニターにおける低血糖が長いこと、と関連していました。
緩徐進行1型糖尿病全体では、他の病型と比較して急性合併症の頻度は比較的低い結果でしたが、空腹時Cペプチド0.6 ng/mL未満の緩徐進行1型糖尿病「definite」例では、急性発症型や劇症型の同様の頻度でケトアシドーシス、重症低血糖、無自覚性低血糖を経験していました。
まとめ
本調査研究は、日本における1型糖尿病患者の急性糖尿病合併症を全国規模で包括的に評価した初めての研究であり、インスリン治療下であってもケトアシドーシスや重症低血糖など生命を脅かし得る急性合併症が一定頻度で残存していることが示されました。特に、Cペプチド低値に示される膵β細胞機能低下が、ケトアシドーシスだけでなく重症低血糖や低血糖無自覚とも関連する点は重要です。
今回得られた結果から、今後は、インスリン投与量自動制御機能搭載インスリンポンプをはじめとする高度なデバイス治療の普及、血糖変動を詳細に把握するための持続グルコースモニターのさらなる活用が望まれます。また、自己インスリン分泌の低値と急性合併症の発症が関連していたことから、膵β細胞機能温存を目指す免疫修飾療法などの発展が期待されます。
研究成果の意義と展望
本調査研究は、多くの患者様、そして参加医療機関の医療スタッフの皆様のご協力により実現しました。今回の成果は、日本における1型糖尿病診療において、高度な治療のさらなる普及の重要性、そのための社会的支援の必要性を示唆するものでした。
これまでの知見をふまえ、本委員会では、1型糖尿病診療の現状や課題についてさらなる調査を継続し、より多くの患者様への適切な治療に結びつくよう、引き続き取り組んでまいります。
その結果、インスリン治療を受けている1型糖尿病患者の7.8%で治療中にケトアシドーシスを発症した経験があり、12.7%で他人の介助を要する重症低血糖を経験していたことが判明しました。さらに、これらの急性合併症を経験していた患者群では経験していない患者群に比べて、自身の膵臓からのインスリン分泌が有意に低下していることがわかりました。
2019年の通院データを用いて実施された本調査研究では、インスリン治療下においてもなお生命に影響しうる重症の急性合併症を起こす患者が一定割合いることが示されました。日本の1型糖尿病治療の現状を示す重要な知見であるとともに、調査時期以降にも進化が続いている血糖管理療法をより積極的に活用することの重要性も示唆されました。
本研究は、国際学術誌「Journal of Diabetes Investigation」(2026年4月8日付)に掲載されました。
背景
糖尿病のうち1型糖尿病[1]は主に自己免疫[2]によって膵臓のインスリン分泌細胞(膵β細胞)が減ってしまい、自身のインスリンが十分に分泌できなくなることによって起こる糖尿病で、生活習慣病とは一線を画す病態です。原則的にインスリン治療が必要になりますが、様々なインスリン製剤の登場や投与法の進化にも関わらず、生命に影響しうる急性合併症を併発することがあります。これは1型糖尿病治療における重大な課題であり、これまでその発症率や発症と関連する因子などを全国規模で調査したことはありませんでした。
日本糖尿病学会(JDS)は、2019年に「我が国における1型糖尿病の実態の解析に基づく適正治療の開発に関する研究員会」(委員長:島田朗)を設置し、種々のデータベースを用いて我が国における1型糖尿病診療の実態を解明し、その結果から導き出される対応策を検討しています。今回発表した調査研究は、同委員会事業のひとつとして実施されたものです。
研究手法と成果
対象
本研究では、2019年11〜12月に全国125の医療機関を受診した1型糖尿病患者4,405例が登録され、このうち急性発症1型糖尿病、緩徐進行1型糖尿病、劇症1型糖尿病のいずれかに明確に分類された2,679例が解析対象となりました。対象者の平均年齢は50.0歳、男性は42.0%でした。
方法
電子データ収集システムを用いて、参加医療機関より患者背景、1型糖尿病の病型、発症年齢、インスリン治療期間、HbA1c値、自己インスリン分泌能の指標である空腹時血清Cペプチド値[3]、膵島関連自己抗体[4]、糖尿病性ケトーシス/ケトアシドーシス[5]の既往、重症低血糖[6]の既往、インスリン治療の内容、持続グルコースモニターから得られる血糖管理指標などを収集しました。次に、収集されたデータを用いて、ケトアシドーシスや重症低血糖などの急性合併症を経験した患者の割合や、急性合併症の発症に影響を与えうる臨床的因子について解析しました。
主な結果
1型糖尿病発症時には、糖尿病性ケトーシスを53.1%、糖尿病性ケトアシドーシスを33.0%が併発していました。さらには、インスリン治療開始後においても、18.8%の患者がケトーシスを、7.8%の患者がケトアシドーシスを経験していました。これらの発症後合併症は、直近HbA1cの高値、長期のインスリン治療、直近Cペプチド値の低値、と関連していました。
また、重症低血糖は12.7%、過去1年以内では4.1%、無自覚性低血糖は28.9%に認められ、いずれも長期のインスリン治療、直近Cペプチド値の低値、持続グルコースモニターにおける低血糖が長いこと、と関連していました。
緩徐進行1型糖尿病全体では、他の病型と比較して急性合併症の頻度は比較的低い結果でしたが、空腹時Cペプチド0.6 ng/mL未満の緩徐進行1型糖尿病「definite」例では、急性発症型や劇症型の同様の頻度でケトアシドーシス、重症低血糖、無自覚性低血糖を経験していました。
まとめ
本調査研究は、日本における1型糖尿病患者の急性糖尿病合併症を全国規模で包括的に評価した初めての研究であり、インスリン治療下であってもケトアシドーシスや重症低血糖など生命を脅かし得る急性合併症が一定頻度で残存していることが示されました。特に、Cペプチド低値に示される膵β細胞機能低下が、ケトアシドーシスだけでなく重症低血糖や低血糖無自覚とも関連する点は重要です。
今回得られた結果から、今後は、インスリン投与量自動制御機能搭載インスリンポンプをはじめとする高度なデバイス治療の普及、血糖変動を詳細に把握するための持続グルコースモニターのさらなる活用が望まれます。また、自己インスリン分泌の低値と急性合併症の発症が関連していたことから、膵β細胞機能温存を目指す免疫修飾療法などの発展が期待されます。
研究成果の意義と展望
本調査研究は、多くの患者様、そして参加医療機関の医療スタッフの皆様のご協力により実現しました。今回の成果は、日本における1型糖尿病診療において、高度な治療のさらなる普及の重要性、そのための社会的支援の必要性を示唆するものでした。
これまでの知見をふまえ、本委員会では、1型糖尿病診療の現状や課題についてさらなる調査を継続し、より多くの患者様への適切な治療に結びつくよう、引き続き取り組んでまいります。
よくある質問
この調査の主な発見は何ですか?
インスリン治療を受けている日本の1型糖尿病患者のうち、7.8%がケトアシドーシス、12.7%が重症低血糖という生命に関わる急性合併症を経験していたことが明らかになりました。
急性合併症を経験しやすい患者の特徴は?
自己の膵臓からのインスリン分泌が有意に低下している(Cペプチド値が低い)患者や、インスリン治療期間が長い患者で、合併症の経験率が高い傾向がありました。
この調査はいつ、どのように行われましたか?
2019年11〜12月に、全国125の医療機関を受診した1型糖尿病患者4,405例を対象に、電子データ収集システムを用いて実施されました。
調査結果が示唆することは何ですか?
インスリン治療下でも重篤な合併症が残存している現状を示し、インスリンポンプや持続グルコースモニターといった高度なデバイス治療のさらなる普及や、膵β細胞機能を温存する新治療法の開発が重要であることを示唆しています。
この研究成果はどこで発表されましたか?
国際学術誌「Journal of Diabetes Investigation」の2026年4月8日付で掲載されました。