メディア視聴時間は減少に転換、タイパ志向とAI普及が消費行動の変化を加速~BCGメディア消費者行動調査

ボストンコンサルティンググループの「2025年度メディア消費者行動調査」によると、1日当たりのメディア総視聴時間が減少に転じ、特にテレビの視聴減少が顕著であることがわかった。背景にはタイパ志向と生成AIの普及による能動的な情報取得への移行がある。
調査NQ 83/100出典:PR Times

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  • 📰 発表: 2026年5月22日 23:00
  • 🔍 収集: 2026年5月22日 14:31
  • 🤖 AI分析完了: 2026年5月22日 14:42(収集から10分後)
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、日本全国の15歳から69歳までのメディア利用者3,717人を対象に実施した「2025年度メディア消費者行動調査」の調査結果を公表しました。本調査は、2022年度、2023年度、2024年度に続き、テレビやOTT(オーバー・ザ・トップ、インターネットを介したコンテンツ配信サービス)、SNSを中心に個人のコンテンツ接触時間、利用サービス等の変化を観測することを目的としています。

総視聴時間は減少に転じ、中でもテレビの視聴時間減少は歯止めがかかっていない

調査開始から昨年度まで、1日当たりのメディア総視聴時間(テレビ、SVOD=定額制動画配信サービス、AVOD=広告型動画配信サービス、SNSの合計)は約4時間半で安定的に推移してきましたが、最新の調査では4.1時間と2024年度の4.4時間から減少に転じました(図表1)。

この背景には、消費者の間でタイムパフォーマンス(タイパ)を重視する行動が定着していることに加え、生成AIの普及に伴う情報取得経路の変化があると考えられます。限られた時間の中で効率的に情報や娯楽を得る志向が強まり、従来の受動的なメディア接触から、より選択的・能動的なコンテンツ消費へとシフトしています。メディア別の内訳を見ると、テレビ視聴時間は2022年度の1.9時間から今回調査の1.5時間へと減少しており、この傾向は若年層に限らず全世代でみられます。

SVODやAVODを利用する理由としても、「隙間時間での視聴」や「倍速再生」など効率的に消費できる点が重要な要素として挙げられ、タイパ志向が明確になっています(図表2)。この傾向は、コンテンツの長さや構成、提供形式にも影響を与えており、今後のコンテンツ制作・配信のあり方にも変化をもたらすと考えられます。

ドラマやニュースは視聴割合が大きく減少

ジャンル別にみると、従来はテレビの強みであり「リアルタイム視聴」が最適とされていた、ドラマやニュースの視聴割合が特に大きく減少しています。視聴先がテレビからSVOD等へ移行しただけではなく、ドラマやニュースの視聴者数全体も減少しているといえます(図表3)。

スポーツ分野では世界的に過剰な放映権獲得競争が起きており、視聴経路がテレビからSVOD・AVODに流れる傾向が以前からありました。2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)がSVODサービスで独占配信されたことが話題となるなど、主要コンテンツのテレビ離れが進んでいます。スポーツコンテンツへのアクセスのあり方をめぐっては、ユニバーサルアクセス権(欧州を中心に導入されている、関心の高い試合を国民が幅広く視聴できるよう定めた制度)の観点からの議論も重要性を増しています。

また、テレビの社会的役割の一つである報道についても、テレビニュースに対する信頼は昨年低下してから回復しておらず、低水準で推移しています。

AIが普及し、目的に応じ能動的に情報を取得する傾向が拡大

一方で、消費者の情報取得行動は変化しています。従来の検索やニュースサイトに加え、生成AIを通じた情報取得が普及しており、特に若年層を中心に、調べものや情報整理にAIを活用する傾向が強まっています。AIを利用する消費者は、SNS・SVOD・AVODの視聴時間が長く、テレビの視聴時間が短い傾向があり、目的に応じて能動的に情報源を選択しています。現在、生成AIは検索の代替としてチャット形式で利用されるケースが多く、能動的に情報を収集する消費者との親和性が高いと考えられます(図表4)。

デバイス別では引き続きスマートフォンが中心、一方で紙媒体も底堅く推移

利用デバイス別にみると、引き続きスマートフォンが中心である一方で、本・雑誌・新聞といった領域では、紙媒体を好む傾向が見られ、利用率は底堅く推移しています(図表5)。デジタル化が進展する中でも、コンテンツの特性や利用シーンによっては紙媒体の価値が維持されており、メディア消費は一様なデジタルシフトではなく、用途に応じた使い分けが進んでいるといえます。

今回調査を担当したBCG東京オフィスのパートナー、黒川あやかは次のようにコメントしています。「今回の調査では、メディア接触時間が減少に転じた点に加え、タイパ志向の定着やAIの活用拡大により、消費者の行動がより能動的かつ選択的になっていることが明らかになりました。メディア企業にとっては、信頼性の確保に加え、限られた時間の中でどのように価値あるコンテンツを届けるか、そしてAIを含めた新たな情報流通構造の中でどのようにポジションを確立するかが重要な課題となります。従来の前提にとらわれず、消費者行動の変化に即した戦略の再構築が求められています。」

よくある質問

2025年のメディア総視聴時間はどのように変化しましたか?

1日当たりのメディア総視聴時間は、2024年度の4.4時間から4.1時間へと減少に転じました。

テレビの視聴時間はどれくらい減っていますか?

2022年度の1.9時間から、今回の2025年度調査では1.5時間へと減少しています。この傾向は若年層だけでなく全世代で見られます。

視聴時間が減少している主な理由は何ですか?

消費者の間でタイムパフォーマンス(タイパ)を重視する行動が定着していることと、生成AIの普及に伴い情報取得経路が変化し、より能動的・効率的に情報を得るようになったためです。

SVODやAVODが利用される理由は何ですか?

「隙間時間での視聴」や「倍速再生」など、効率的にコンテンツを消費できる点が重要な理由として挙げられています。

AIを利用する消費者のメディア接触の特徴は何ですか?

AIを利用する消費者は、SNS・SVOD・AVODの視聴時間が長く、テレビの視聴時間が短い傾向があり、目的に応じて能動的に情報源を選択しています。